～第９話・前編～

スパイラル　第９話　究極の舞台


【ルシス】「このままじゃ明らかに危険だ。」
【リサラ】「そりゃ見ただけで分かるよ。・・・・で、どうするのよ？」
【ルシス】「『神』がこんな事をしたのは何か理由があるはずだ。今回はそう簡単には帰してもらえなさそうだしな。」
【リサラ】「で？」
【ルシス】「・・・ラスボスん所まで突撃する。」
【リサラ】「はあっ！！？？？ルシス、大丈夫？」
【ルシス】「・・・あれを見れば分かるだろう。・・・拳銃が２丁落ちている。
　　　　　　こんなのゲームの設定にはない。」
【リサラ】「要は「やれ」って事ね。」
【ルシス】「ラスボスがいるのは要塞の北の端だっ！急ぐぞ！」
【リサラ】「う、うん！」

僕は急いでいた。
何で急ぐのかといえば、・・・・・。

分からない。

何かに急がされているようだ。
ひょっとして、「神」の仕業か・・・？

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【ミリル】「・・・で、どうすんだよ！」
【セトラ】「今は戦うしかない・・・機械の軍により惑星を征服したグラウンド、チャオは幹部以外いないはずだ。」
【クライト】「どうやって？」
【サリナス】「！！　発見されたわ！」
【アレスト】「なんだってっ！？」

間もなく、機械が一斉射撃をかけてきた。

【ミリル】「逃げろぉっ！！」

しかし、機械の軍は追いかけてくる。

【アレスト】「こっちだ！部屋に逃げ込もう！」
【セトラ】「分かった！」

５匹は部屋に転がり込み、扉を閉めた。

【サリナス】「・・・ふう。」
【クライト】「しかし、扉を破られるのは時間の問題だな・・・。」

【セトラ】「・・・こ、これは！！！」
【ミリル】「セトラ、どうした？」

【セトラ】「やっぱり！ゲーム中の隠し部屋だ！！武器がたくさん置いてある！」
【クライト】「マジかよっ！」
【サリナス】「これで何とかなりそうね。」

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【トレイス】「おりゃぁっ！」

こちらは結構順調なようだ。
ルピカとリエットが協力するという「夢」のおかげかも知れない。
今は夢ではないとしても、１０年前は確実に「夢」だったのだ。

【リエット】「そっち頼むね！」
【ルピカ】「ええ！」

部屋を片っ端から破壊していく。
エレナが空軍学校時代に手に入れた地図が頼りだ。

【エレナ】「こっちよ！」
【デスピナ】「・・・だな。」

５匹の目の前には、扉。

【トレイス】「行っけぇっ！」

ドアを無理矢理突き破り、魔法を乱射する。
その部屋も数分で片付いた。

【エレナ】「・・・第２海軍会議室、破壊完了ね。
　　　　　　次は・・・！！
　　　　　　空軍大臣室だわ・・・」

【リエット】「・・・ねえ、先に行っててもいい？
　　　　　　　５匹で一緒に行ってたら時間がかかりそうだし。
　　　　　　　どうで相手は１匹でしょ？」
【トレイス】「・・・いいんじゃないか？」
【ルピカ】「いいわよ。その代わり、前みたいな事にはならないでよ。」
【リエット】「分かってる。んじゃ、頼むね。」
【エレナ】「ええ！」

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【？？？】「その調子だ・・・・」

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【ルシス】「くっ、さすがに多いな・・・」
【リサラ】「ルシスが多く設定するからでしょ？」
【ルシス】「これはゲームだからな。アニノに合わせてある。」
【リサラ】「そんな事言われても・・・」

そりゃそうだ。
普通のチャオじゃ難しいに決まっている。
でも、僕たちがこの世界に入り込む可能性が最初からあったとはいえ、小説に手加減はしたくなかった。

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あれから、かなりの時間が経った。
徐々にクレードの要塞の奥深くへ進攻していく３つのグループ。

そして、真っ先にグラウンドの王室前まで来たのは、やはりリエットだった。
まだトレイス達は追いついていないようだ。

リエットは一言、
【リエット】「いよいよ勝負の時ね・・・。
　　　　　　　みんな、ごめん。先に行くね。」

とつぶやき、ドアを打ち破った。

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後編へ続くっ！