~第6話・後編~
後編
もうハラハラもんだ。
またいつ僕の小説を『神』によって書き換えられるか分からない。
おかげで全然進まない。
何回も読み返さなきゃいけないし。
個人的にはあんまり自分の小説ってのは自分では読みたくないのだが・・・
まあ、神様に書き換えられて、変な文章を読者に見せるよりはマシ、というところだろうか。
そこは一応商売だしね。
さて、続き続き、っと。
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さて、その日の帰り道。
【ミリル】「しかし・・・あんなことってあるんだな。」
【アレスト】「ん?何が?」
【ミリル】「セトラだよ、セトラ。」
【クライト】「ああ、あいつね。あんなの、サリナスの計略じゃないの?」
【アレスト】「確かに、『親の事情で、偶然』ってのは怪しいよな。」
【ミリル】「・・・まあね。」
【クライト】「ま、俺達は2匹のテストでの対決を高みの見物ってところかな?」
【ミリル】「そりゃ、対抗しようにもできないしな。」
【アレスト】「で、俺達は『Black World』で対決か。」
【ミリル】「もちろんだ、やってやるぜ!」
一気に3匹は駆け出した。
勉強じゃ負けるけど、ゲームなら負けないつもりだ。
そりゃ、セトラはとっくに全クリしているけどね。
いつもの交差点に差し掛かっても、彼らは無言のままそれぞれの道へ走り去っていった。
今日は、クライトを追っかけてみよう。
やはり帰ったらすぐゲームのある部屋だ。
テストが終った後だし、他のことをしている暇はないらしい。
さすがに競争しているだけの事はある。
【クライト】「・・・早くしないと、抜かれる・・・」
とか一人で慌てながら、ゲームの電源を入れる。
いつも通り、『Press Start』→『Continue』。
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3匹は、とある街でグラウンドの軍と戦っていた。
戦車の一斉砲撃に身を隠し、魔法で吹き飛ばす。
しかし限界はいずれ来る。
多数の戦車に圧倒さて、中央の広場に追い詰められていた。
【エレナ】「首都も近いし・・・並の強さじゃないわね・・・」
【デスピナ】「すでに中央の軍が直接管轄する領域だ。奴等も本気なんだろう。」
【トレイス】「っつーか・・・マジメにやばいぞ、これは。」
と、その時である。
【???】「・・・そこの3匹、退きなさい。 ・・・この獲物は私のものよ。」
いきなり、空からチャオが降りてきたのだ。
【トレイス】「だ、誰だ?」
【???】「私?・・・そうねえ、リエットっていう名前だったかしら?
一応アニノの生き残りだけど、私は1匹で戦うの。 ・・・だから、どいて。」
【デスピナ】「・・・無謀な。」
【エレナ】「いい度胸ね。いいわ、退いてあげる。
その代わり、死んでも知らないわよ。」
【トレイス】「・・・いいのか?」
【エレナ】「ま、いいんじゃない?」
不満げなトレイスとデスピナを説得させ、エレナは引いた。
【リエット】「ありがとう。
・・・さあ、グラウンドの軍隊さん、かかってきなさい!」
これを見たグラウンドの軍隊は一斉にリエットに向かい射撃をかけた。
が、彼女は軽い身のこなしで簡単に避け、そして・・・
【リエット】「魔法発動! ツインスプラッシュ!!」
・・・ズドーン!!!
こともあろうに、グラウンドの戦車を全て押し流してしまった。
【トレイス】「・・・マジかよ・・・」
愕然とする3匹。
しばらくして、エレナが沈黙を破った。
【エレナ】「リエット、最後に1つだけ聞くわ。
なぜ、1匹で戦うの?」
【リエット】「・・・そうね。
ずっと1匹だったから、かな?
・・・それじゃ、平和な世界で会いましょう。」
そう言い残すと、リエットは去っていった。
【トレイス】「・・・最後の言葉、どういう意味だ?」
【デスピナ】「リエットがグラウンドを崩壊させてから会いましょう、って訳らしいな。」
【エレナ】「図らずも、競争ね。」
【トレイス】「・・・それじゃ、こうしてはいられねぇな。行くか!」
続く
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来週もお楽しみにっ!