~第4話・前編~
スパイラル 第4話 背中合わせという運命
【トレイス】「ふう・・・次の街がようやく見えてきたな。」
【エレナ】「そうね。」
しかし、この街は、他の街とどこかが違った。
【トレイス】「というか・・・街のチャオが異常に多くないか?」
【エレナ】「グラウンドの目に触れないために必要最低限の外出で済ませるのが普通なのに・・・」
【トレイス】「しかも非常に騒がしい・・・」
【エレナ】「何かあるんだわ。みんな同じ方向へ向かってる。行ってみましょ。」
2匹は、流れに任せて歩いた。
すると、ある広場に辿りついた。
【トレイス】「集会・・・らしいな。」
【司会チャオ】「只今より、「解放記念集会」を開きます!!!」
【観衆】「ワァァァァァ・・・・・」
【エレナ】「『解放記念集会』??」
【司会チャオ】「それでは本日の主役、我が街をグラウンドから解放したデスピナ様の入場です!」
【トレイス】「まさか・・・」
【エレナ】「その「まさか」でしょうねぇ・・・・」
【トレイス】「アニノの、3匹目の生き残り・・・」
【司会チャオ】「説明しましょう。
ここにいるデスピナ様は、かつてこの世界で名を馳せた魔法種族「アニノ」の生き残りで、
同じ生き残りであるトレイスとエレナの蜂起に触発され蜂起、この街をグラウンドから解放した次第であります!」
【観衆】「ワァァァァァ・・・」
【司会チャオ】「デスピナ様、今後はどうするつもりでしょうか?」
【デスピナ】「とりあえず・・・首都に向かって一直線だ。」
【司会チャオ】「トレイスとエレナに会うつもりはないのですか?」
【デスピナ】「できる事なら一緒に戦った方がいいだろう。
しかし広い惑星の話、探していれば逆に離れてしまう可能性がある。
だがお互い目指すは首都なのだから、首都に向かっていればいつか鉢合わせるはずだ。」
【エレナ】「やりにくそうな奴・・・。」
【トレイス】「仲間にならねぇよりはマシだろ。」
【司会チャオ】「トレイスとエレナも、何らかの筋からこの話を聞くと思います、2匹に向かってメッセージを。」
【デスピナ】「首都クレードで会おう。以上だ。」
【トレイス】「・・・目の前にいるという事を知らずに・・・」
そんな事をぼやいていたら、気が付けば俄かに周りが騒がしい。
【観衆A】「おい、あれ・・・ひょっとしてトレイスとエレナじゃねぇのか?」
【観衆B】「本当だ、急いで司会に知らせなきゃ!!」
【エレナ】「気付かれたようね。」
【トレイス】「ま、いい意味だからマシだろう。いくぜ!」
【エレナ】「ええ!」
2匹は上空に魔法を飛ばした。
これならば誰にも被害は及ばない。
会場は大騒ぎになった。
【デスピナ】「!」
【司会チャオ】「まさかあれは魔法・・・という事は、トレイスとエレナはこの会場に!!???」
【エレナ】「・・・そういう事。ま、単なる偶然だけど。」
いつの間にか、ステージの上に2匹はいた。
こうして、デスピナが仲間に加わり、首都クレードへの旅は続く。
ちなみに、この集会がその後夜まで続いたのは言うまでも無い。
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日曜日。
雨である。
アレストは、ただ外を眺めていた。
ちょっとした休憩、といったところだろうか。
ゲームも結構良い所まで進んだが、それより今はテスト勉強が先である。
ふう、と一息つくと、再び勉強机に座った。
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【???】「こんにちは~。」
ああ、アイツだ。
こんな時に。
今ドアから入ってきたチャオは、僕の彼女のリサラ。
名目上はアシスタントなんだけどね。
世話好きなのはいいが、たまにお節介になることもある。
【リサラ】「調子はどう?」
【ルシス】「まあまあだね。
元々難しい小説だから、ちょっと進めばいい方さ。」
【リサラ】「ねぇ、気分転換に外に出ない?
今、街の商店街でフリーマーケットやってるんだ。」
【ルシス】「・・・たまにはいいな。
よし、行くか!」
とりあえず、外に出る事にした。
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後編へ続く。