~第2話・前編~
スパイラル 第2話 弄ばれる(もてあそばれる)者達
トレイスはとある街でひっそりと暮らしている。
もちろん、グラウンドの目を反らすため、だ。
まあ、日常生活で魔法を使うことはまずないから、普通に暮らしててても問題は無い。
しかし、ある日のこと・・・・。
その日もいつも通りの朝だった。しかし、午前中のある時。
グラグラグラグラグラ・・・・
【街人チャオ】「地震だ!!しかも大きいぞ!!」
ワー!ワー!
キャー!
たちまち街は大騒ぎになった。
【街人チャオ】「・・・ふう、揺れは収まったかな?」
しかし、そこに広がったのは見るも無残な光景。
ビルは潰れ、家は崩れ、いろんな場所で火の手が。
トレイスもよりによって自らの家の下敷きになってしまった。
【トレイス】「くっ、このままだと死ぬな・・・
それよりは・・・・!
魔法発動!ブライトサークル!!」
ズドーン・・・
自分の真上の瓦礫を吹き飛ばし、脱出に成功した。
【トレイス】「ふう・・・。!!???」
彼は驚いた。
脱出したときに瓦礫を吹き飛ばした音で、野次馬が集まってきたのだ。
【野次馬チャオA】「おい、あれってまさか・・・」
【野次馬チャオB】「魔法使いのチャオ「アニノ」の一族か?」
【野次馬チャオC】「生き残りがいるって噂は本当だったのか・・・」
【野次馬チャオD】「それより、警察に通報だ!多分報奨金も出るぜ、こりゃあ!」
【野次馬チャオB】「そうだな!おい貴様、逃げるなよ!!」
そういうと、野次馬が一斉に捕まえようと襲ってきた。
【トレイス】「くっ、捕まっちゃたまんねぇっ!逃げるついでに、グラウンド毎滅ぼしてやるぜ!!」
トレイスは勢い余ったのか、余計な言葉まで吐き捨てて、空に飛び上がり、野次馬から逃げてしまった。
ここから、彼とグラウンドとの熾烈な戦いが幕を明ける・・・・・・・・・
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【ミリル】「ここまでがオープニングか。セーブして、今日は終わりにしよ。」
本当はもっと進めるつもりだったのだが、テストが近く親がうるさい。
仕方なく勉強机に座った。
しかし、なかなかゲームの事が頭から離れない。
ゲームでは良きライバルのクライト、アレストの進行状況も気になる。
この後、どんなストーリーが、どんな仲間が、どんな敵がいるのだろうか。
ところが、この後ストーリーは彼の想像以上の激しい展開になる・・・・
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【ルシス】「・・・眠いな・・・・」
それもそうだ。
昨日徹夜である。
なんてったって、面白いテレビ番組が遅い時間帯にあるもんなぁ。
え?本業はどうしたかって?
ちゃんとやってるよ。
その証拠に、ここまで書いたじゃん。
さて、どうしようか・・・
・・・と考えているうちに、続きが次々と浮かんできた。
嬉しい悩みである。
睡眠時間もほどほどに、僕は続きを書き出した。
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翌朝、学校にて。
【アレスト】「なあ、昨日どこまで進んだ?」
【ミリル】「親がうるさいのとムービーが長いのとで、オープニングまでだよ。」
【クライト】「確かに、テスト近いもんなー。」
【ミリル】「でもさー、どーせあいつは全クリしちまったんじゃねーの?」
【アレスト】「ああ、セトラか。・・・だろうね。」
セトラ。
クラス1の天才。
勉強はもちろんのことだが、ゲームについても神懸り的な技を持つ。
この前とあるゲーム雑誌が行った全国ゲーム選手権にも出場、並み居る大人を押しのけてベスト8。
学校の不良グループが彼の奪い合いで警察沙汰になったりと、近くにいると何かと面倒な奴である。
【セトラ】「ああ、『Black World』ね。
実はまだクリアしてないんだ。ムービー長いから、時間が無くてね。
でもインターネット見たら、もう数人クリアしてるみたいだよ。
もっとも、全員暇な大人みたいだけど。
多分、全国でまだ100人もいないんじゃないのかな、クリアした人。」
【クライト】「マジかよ・・・」
【ミリル】「確か、このゲームの初日の売り上げが・・・」
【セトラ】「『ゲーム王』調べで38万7452枚。一週間だと60~70万枚はいくだろうね。」
【アレスト】「その中で、100人もいない・・・」
【セトラ】「難易度が高いって訳じゃないんだけどね。」
【クライト】「おっと、そろそろ授業だ。」
始業のチャイムが鳴り、皆はそれぞれの席についた。
続く
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第2話・後編へ!