番外編!

優奈は中学生になり、お父さん、お母さん、そしてムーンナイト、スノーと幸せに暮らしていた…。

12月某日。

布団から体を出したくないと、手探りで目覚し時計を探していた。
やっと見つけて見れば8時5分。スイッチもしっかり押してあった。
「いやぁー!!!」
絶叫して、大急ぎで制服に着替え始め、階段を駆け下りた。
まだベッドの上でモゴモゴしていたナイト(※)が顔を出した。
「またチャオか?全く…、おー寒っ!」
「お母さん、お母さん、お母さん!遅刻!遅刻!遅刻ぅ!!」
しかし誰もいない。
テーブルにあるりんごを一切れ食べていると、いすに座っている白くて手足の先が水色のチャオがトーストを食べているのに気がついた。スノーだ。
「お母たんもお父たんもおちごとに行きまちた。ここにいるのはスノーとおにーちゃんと優奈たんちかいないでち。」
「あぁ!もう!!後15分しかない!行ってくる!」
学校が始まるのは30分からだった。走って10分はかかる距離だった。

8:25
ギリギリで門にたどりついた。
後は2階にある教室に入るだけなのだが…。
優奈は息を切らせながら走った。そこで同い年ぐらいの男子とぶつかった。
「!!ごめんなさい!」
あまりにも急いでいたため顔もよく見えなかった。
3分前に教室へ入った。
「……死ぬかと…思った…。」
「優奈ーっ、遅いよー!」
声をかけて来たのは黒髪の女の子、里奈(りな)だった。
「だって…起きたの…5分だよ?目覚まし…止まってて…マジびっくりした…。」
くしゃくしゃになった髪の毛を赤いゴムでくくっていると里奈がある話を持ち出してきた。
「ねぇ、ねぇ、隣のクラスでかっこいい奴いるって知ってる?」
「へぇー…どんな奴?」
そこでチャイムが鳴り出した。
「あ、じゃあ次の休憩でね。」
1時間目。数学で普通の授業だった。

10分休憩。里奈がやってきた。
「ほら、これ。写真もらっちゃった。」
少し茶色がかった髪の色でちょっとかっこいい程度だった。
しかし優奈はこの顔を見て朝の出来事を思い出した。
「あっちゃー!!今日ぶつかった奴だ!後で謝んないと。しかも英語の教科書どっかいったんだよね。ちょうどいいから借りに行こう。里奈、こいつの名前なんてーの?」
「名字忘れた…亮(りょう)って名前らしいけど。って、優奈!?もう行ったの!」
優奈は隣のクラスへ行った。廊下で案の定(?)亮に出会った。
「あっ…朝は本当にごめん!」
優奈が小走りで教室へ行こうとすると
「七瀬…だよな?」
と亮が呼び止めた。すると英語の教科書を差し出した。
「ムーンチャオのナイツチャオが俺達の教室に窓から入って来てさ。『これを優奈に渡して欲しいチャオ!今日、遅刻したからわかった人は渡して欲しいチャオ!!』ってさ。みんな大笑いだったぞ。」
「あ・・・ありがと…。」
赤くなりながら教科書を貰うと、亮がこんな事を言い出した。
「俺も、チャオと住んでるんだ。ソニックチャオって呼ばれてるらしい。」
「へぇー…。」

そして学校から帰った後、ナイトに怒鳴り散らした。
「全く…窓から入って来てくるまでないでしょ!!しかも『遅刻したから』って言ってあたしに恥かかして!!」
「ご…ごめん…チャオ…僕も…そんなつもりで…ウアーン!!」
ナイトは泣き出してしまった。部屋中水浸しになるんじゃないかというぐらい。
「泣けばいいってもんじゃないの!!」
けれど泣き続けている
「アーン!優奈が・・・忘れたから困ると思って…持って…ヒック。来たのにぃ!!ウワーン!!」
この事にはっとして優奈はナイトを撫でた。
「ごめんね。ナイト、もう泣かなくていいよ…ねっ?持ってきてありがとうね。」

このページについて
掲載号
週刊チャオ聖誕祭記念特別号
ページ番号
10 / 11
この作品について
タイトル
少女とチャオ
作者
まっきー(ライカ)
初回掲載
週刊チャオ第16号
最終掲載
週刊チャオ聖誕祭記念特別号
連載期間
約6ヵ月4日