最終回の一個前(爆)
「嘘でしょ・・・。」
空っぽの布団の前で優奈は座り込んだ。
全ての力が抜けたような感じだった。
自分では可愛がっていたはずなのに・・・・
ナイトには不満だったのか・・・?
優奈は涙を浮かべて今までの事を思い出した。
初めて出会った事、毎日公園へ散歩しに行ったこと、チャオ幼稚園でお稽古をたくさん習って、優奈とナイトが笑い会ってた事・・・。
そして何より大切なのが
初めて友達ができた事・・・・。
優奈の最初の友達がナイトだった。
でももう、この世界にはいない、同じ種類のチャオだってムーンナイトは世界に1人だけだったから・・・。
「ナイトォ・・・・。」
優奈はついに泣き出した。
自分でもこんなに泣いたのは久しぶりだった・・・。
10分ぐらい泣き続け、優奈は立ち上がった。
気が付けばもう夜だった。
「そうだよね・・・ナイトはもういないんだよ。ずっとこんな事思ってちゃダメだよね!」
優奈は自分で自分を励ました。
そして、夕ご飯を作りに台所へ行った・・・・その時だった。
台所から何か聞こえる。部屋には優奈しかいないのに。
恐る恐る近づくと、小さい生き物が冷凍庫を漁っていた。
冷凍庫をしょっちゅう開けるのはナイトしかいない。まさか・・・
そのまさかだった、優奈がその生き物を抱き上げると・・・
ムーンナイトだ。紫色の体に黄色いポヨ、何よりも証拠になったのは、一回外して、また付けた水色のリボンだった。
ナイトは『りんごアイスはどこに行った!』と言わんばかりに足をバタつかせていた。
優奈はナイトをそっと降ろすと、アイスを取り出してナイトに渡した。
「・・いつから転生したの?」
優奈が聞くとナイトのポヨは『?』になった。
「いや、何でもないの。また一緒に暮らそうね・・・。」
優奈の目から1つぶの涙が落ちた・・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~続く~~~~~~~~~~~~