~太陽編~第四十二話 いざ、大陸へ

しつこいスネーカーを、ムーンの異母兄弟、グロウが使った技、邪滅剣、さらには聖滅剣、混沌滅剣を使い、スネーカーを倒す。

・ ・・・ジャロン。

ドロックがいる小屋へと戻ったバレムたちは、ゆっくりと休む。

ドロック「で、いったい話ってのは何なんだ?」

バレム「あいつら・・・・ゼキス、ジース、ジャロンを共に連れて行っていいか?」

ドロック「どこへだ?」

急に怪しい目つきになるドロック。
バレムは続ける。

バレム「興味のあるやつらなのでな。俺は船乗り・・・スペシャリストだ。命の保障もできる。」

ドロック「いいだろう。」

目つきが優しくなり、笑いながら話すドロック。

バレムはほっとする。

ジース「おう。話はついたか?」

バレム「OKだ。」

小屋のドアを開け、外で待機していたジースたちと会話するバレム。

ゼキス「さあ、船はできた!目指すは大陸だ!」

ジャロン「はしゃぎすぎだぞ。ゼキス。」

ジースがいなかったときには全然しゃべらなかったジャロンも、少しずつだが言葉数が多くなった。

バレムは一息つくと、大きな船へと乗る。

バレム「本当にいいんだな?いくら俺でも、完全に命の保障はできんぞ?」

ジース「ああ!いこうぜ!」

ヤル気満々で、荒れている海を潜り抜けるバレム一行。
さて、この無謀な奴等はほっておき、場面を映ろう。



―どこかの研究所。

「フフ。封印されし三十の悪魔、その中心に位置する「五狼神」、月神、太陽神、精霊神、大魔神、龍輝神。後二つ・・・・」

「気をつけろよ。月神と精霊神は別格だぞ?」

「分かっているさ。」

暗闇の中にいるチャオは、互いに会話しあっている。

緑色のカプセルの中には、―ガーネットのオニチャオ。

「しかし、こいつには礼を言ってほしいね。わざわざダイヤモンドを加工して、武器を強化したんだから。」



ジース「ここが大陸か~。変わったな~。」

船を海岸に着け、地上へと到着したバレムたち。

バレムは大都会を目指していたようで、着いたところは機械だらけだ。

ジャロン「懐かしい。」

ゼキス「ううん。余り昔の雰囲気はないなあ。」

バレム「こっちへ来い。」

手招きするバレム。

ジースを先頭にして、ジャロン、ゼキスが着いていく。

大都会の路地、路地というには狭すぎる。
そのさきにはだいぶ大きな家があった。

「やはり来たか。」

バレム「連れもいるぜ。」

屋根の上から飛び降りてきたチャオは、見覚えのあるチャオ。

赤いシャドウチャオ、腰には四本の剣。―ヴァルサだ。

ジース「おす!」

ヴァルサ「サン・・・?いや違うか。」

バレム「どうやらこいつは、あの予言での、太陽神の遺志を受け継ぎし者、らしい。」

バレムがヴァルサに向かって耳打ちする。
納得するヴァルサ。

ジャロン「お前の知り合いに紫に光った、お前と姿が似ている奴はいるか?」

バレム同様、ヴァルサも驚いた。

紫に光った、ヴァルサと似ている、つまりシャドウチャオ。
心当たりがあるのは、ムーンしかいない。

うなずくヴァルサ。

ゼキス「ああ。そういえば助けてもらったね。」

ジャロン「やはりな。道理でだ。そいつは稲妻を操るだろう?」

再びうなずくヴァルサ。
今度はヴァルサから質問する。

ヴァルサ「なぜ知っている?」

ジャロン「さあな?」

言葉を濁すジャロン。どうやら教えたくないらしい。

バレムが、口を開く・・・・
と同時にジースが叫ぶ。

バレム「名前は―

ジース「じゃあさあ!どこへいきゃあいいの?」

よく状況が理解できていないジース以外。
ジースは詳しく説明する。

ジース「だから、そいつに会うためにはどうすりゃいいの?」

ヴァルサ「西の渓谷。そこに奴の関係者がいる。だが、危険だぞ?」

笑っているジース。不気味だ。

ジャロンは鼻で笑うと、腕を組み、壁によっかかる。

ジャロン「つまりだ。その稲妻を操る奴に会う為には、そいつに会いに行かなくてはならないわけだ。」

ヴァルサ「だが、その渓谷に行く前に行かなければいけない所がある。」

バレム「城か。」

不意に口にするバレム。
ゼキスが質問攻めをするが、誰も何も言わない。

ゼキス「どうなのさ!?」

ジース「状況が読めたぜ。いこう!」

ジャロンとゼキスの腕を引っ張り、ジースが走っていく。
西の大きな聳え立つ城を目指して。

バレム「サンよりは賢いようだな。」

ヴァルサ「だが、予言では「赤い存在」といっていなかったか?あいつは青色じゃ・・・」

バレム「いや、俺が始めてみた時は、赤かったぜ。」

後ろ向きで、右腕を振る。
ヴァルサも右腕を上げて、額に当てる。

一体城とは、なんなのだろうか?

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第168号
ページ番号
85 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日