~太陽編~第三十一話 Adarudhis Lipeit Iex Fyowvar Enejer
太陽での死闘。クルトが偽者の不死鳥に操られ、サンは敗北の寸前に立ち止まる。
だが、溜めておいたギャラクシーの究極技、「アルティメット・ヴァリアックス」で、敵の技、「覇導豪剣」を自分のものとする。
しかし、サンは力尽き、倒れる。
その時、白いチャオが現れ、サンのギャラクシーを使って偽者の不死鳥を一撃で倒してしまう。
一体、この太陽のプロミネンス(爆素)を操るチャオは何者か・・・?
サン「う・・・」
よろめいて立ち上がるサン。
どうやら修行の最中らしい。
コーラシア周辺によみがえった木々を切り倒していく。
湖の力によって自然の力は格段と上がっている為、斬っても斬っても再生する。
「フフ・・・がんばってるようだな。」
エンペラー「ええ。でもまさか貴方のような・・・『伍成起電』が現れるとは・・・僕も予想してませんでしたよ。」
セレナ「フフフ・・・御久し振りです。先程、私と会ったものは少ないと言いましたが、実を言いますと・・・・私の他の「王」が伍成起電と接触しているのです」
王というのは、自然の国の王、太陽の国の王、月の国の王、闇の国の王、そして光の国の王のことではなく、別の王らしい。
そして「ごじょうきでん」(伍成起電)と名付けられた者達の一員が、ここにいる白いチャオなのだ。
エンペラー「その昔、伍つつの魂があった。それらは地・雷・爆・暗・混。その中の「爆」を操るのでしたよね?」
「ああ。最も、デスベルグぐらいなら片腕で倒せる位の力を持っている者・・・だけだ。だが俺は三年前に、力を発揮できなかったな・・・」
セレナ「それですよ。エンペラーが闇に操られていた時、なぜ倒さなかったのかと疑問に思ってまして。」
「年老いてしまっていてな。さすがの俺も、刻には敵わなかったと言う訳さ。このバ・・・
白いチャオが言いかけたところで、サンが戻ってくる。
意外と元気で、まだまだやる気満々のようだ。
サン「終わったぜ。バレムのじじい。」
バレム「ハ・・・既にじじいでは無くなっているがな。元々はそうだったんだが。」
サン「転成ってのは、まだなりそうもねえかい?」
バレム「ああ。難しいぞ。まぁ今回は「太陽のジュエルの悪しき力」に飲み込まれないための修行だったんだがな。」
サンは小さく頷くと、森の中央、即ち今ここにあり、安置されている太陽のジュエルを手に持ち、ギャラクシーと一体化させる。
サンの表情が固くなり、まるで刀から何か流れ込んでくるように苦しめられている。
サン「く・・・・・うううう・・・・・・」
セレナ「やはりまだサンには・・・」
バレム「いや、平気だ。あの力を得るための修行だったんだからな。俺がなにもしなかったとでも?」
しばらくして、ギャラクシーの赤い刃が、サンと同じ、ガーネットの色に輝く。
光沢は見事で、ダイヤモンドの輝きも混じっていた。
エンペラー「気分はどうです?」
サン「よくねえな。しかしこれで太陽神とかいうのを手に入れられるのか?」
バレム「ああ。俺の体内に宿っているのは「爆神」。そしてサンは太陽神。おそらくムーン殿もこのことに気づいているはず。」
よく分からないという顔をして、サンは首をかしげる。
だが立つのが面倒くさかったのか、経たり込んで、寝てしまう。
セレナ「陽気な方ですね。本当にこの方にあの「Adarudhis Lipeit Iex Fyowvar Enejer」を託していいんですか?」
バレム「俺の本能的に言えばムーン殿だろう。だがあえてあの方には渡すまい。なぜならムーン殿は自分で自分の能力を開花させる。問題はない。」
エンペラー「「Adarudhis Lipeit Iex Fyowvar Enejer」は、どれほどの力を秘めているので?」
バレム「アドラディス・リペリット・フォウヴァー・エナジー。略して「A−LIFE」はだな、この星ひとつを破壊できるな。」
さすがのエンペラーも驚きを隠せなかった。
星を破壊する・・・・・デスベルグ、闇の現況でさえもできなかった行為だ。
そう容易なことではないはず。
エンペラー「ならなぜ「A−LIFE」をサンに?」
セレナ「同意です。ムーン様のほうが信用が堅いはずでは?」
バレム「何もわかってないな。ちと、俺の昔話でもしてやろう。よく聞けよ。」
続く