~太陽編~第二十九話 操られたクルト
サン達は見事にフェニックスを倒し、太陽のジュエルを手に入れた。
・・・までは良かったが、太陽のジュエルを手にしたクルトは、炎に包まれ、地上へと浮かんでいく。
そこはもう崩れかけていたので、サンも来た道をたどり、地上へと着く。
サン「クルトはいったいどうしたんだ?」
クルト「遅いぞ」
そのクルトは、サンの目の前に立っていた。
アクアマリン色の体が、赤い炎に反射して紫に光っている。
アメジストのようだ。
サン「クルト?どうしちまったんだよ?」
クルト「我はこの地に再び君臨されし不死鳥。我の身体を崩そうとも、魂は壊されぬ。」
サン「っつーことは太陽のジュエルを手にしたやつぁ、乗っ取られるって事か。」
無言でクルト、フェニックスは剣を構える。
サンもとっさに、剣を振りかぶる。
クルト「さぁ、死への祭を始めよう」
サン「そんなもの、御免だぜ!」
走り出して、クルトの頭から一振りする。
だが、斬ったことは確かなのに、炎が切れていただけで、身体には傷一つない。
さらに、炎は再び再生する。
サン「そう簡単にはいかねえか。」
クルト「覇導壕剣(はどうごうけん)」
炎から青色の、陽炎に変化し、輝く波動によってサンは吹き飛ばされる。
なんとか剣をたてるが、未だに波動は止まない。
それどころか太陽の上の炎素、プロミネンスを吸収し更に波動を強くする。
クルト「どうした?」
サン「こいつらみてぇなボス系は、どうした?って必ず聞くよな。」
クルト「こざかしい。まだ話す余力があるか。覇導霊剣!(はどうりょうけん)」
炎が赤色に変化して、サンに直撃し、重力外に向かって吹き飛ばされる。
サンは防御する隙もなく、力が抜けて、太陽から遠ざかっていく。
サン「ちくしょう・・・・」
クルト「フ・・・手間取ってしまったが・・・」
しかし、サンはクルトが瞬き一つしている間に消えてしまった。
驚嘆すると、もう一度瞬きする。
サンはいない。
クルト「どこへいった!?」
「ここさ」
炎の影からいきなり現れ、炎を斬る。
クルトは・・・フェニックスは上手く防御したつもりだったが、斬った場所の炎は再生しなかった。
クルト「貴様・・・なにをし・・・
「俺はこのボンクラとは違ってね。いろいろな魔獣を従えてる。さっきのはその技の一つさ。」
クルト「サンはどこだ?」
「お前の目には写らんさ。」
そのチャオは白く、妙な帽子を被っていた。
どこかでみたことがあるチャオだ。
片方の目には海賊がつけるアイシルク。
その肩に背負う剣はギアのような仕組みだ。
クルト「貴様・・・覇導壕剣!」
陽炎が太陽の炎と交わり、全て炎は青となる。
その白いチャオは炎に包まれ、姿が見えなくなる。
クルト「し、所詮我にはかなうはずがないだろう。」
「お前が偽者だからかなうのさ!」
続く