~月編~第三十話 五姿進化

ムーンは「オーロ」に稲妻の技を教えた師、ベリアと戦闘している。

ベリアは、龍の珠を覚醒し、さらにはエンペラーの細胞を使って、第二形態になる。

その姿は、キングエンペラー同様、オニチャオと、ナイツチャオの境目くらいである。

ベリア「さっきまでとは違うぞ。」

ベリアは腕を下に下げて、剣を持つ。そして、一回振ると、そこに空気の歪みができる。
さらにそこへ、稲妻を加え、剣に装着する。

剣はさっきよりも倍ほど大きくなり、持つのにも苦労するくらいだ。

ムーン「僕に勝つつもりなら・・・・辞めておいたほうが身の為だ。」

スノウ「!みんな!伏せて!」

何を察したのか、スノウは急に焦り、そう叫ぶ。
それに反応し、ファイン達はすぐ伏せ、岩陰に隠れる。

ムーンは紫色の光に包まれ、姿が変わっていき、ラインは紫に、上に上がっていた部分は、下がっていく。

そして、翼がナイツチャオとは違い、鳥の羽のような翼がはえた。

ベリア「・・・・五姿進化か。」

ムーン「月の子特有、五姿進化第二、フライモード!」

一瞬で空たかくまで飛び上がると、ベリアに突進していく。
ベリアは油断したのか、直撃してしまう。

ベリア「く・・・・くくく・・・・」

ムーン「な、何がおかしい。」

ベリア「見切った」

稲妻がムーンの翼を捕らえ、羽が散っている。
さらに、身体を締め付け、動けない状態である。

ベリア「これを爆破させれば私の勝ちだな・・さあ、降伏しろ!」

ムーン「僕を・・・・甘く見るな!」

今度は黄色の光に包まれたムーン。耳は伏せられ、後ろ髪が下がっていく。
ラインは青紫・・・・だ。

ベリア「五姿進化・・・・・・ガードモード・・・・ち・・だが、いまさら遅い!」

ムーン「無駄だよ」

稲妻は暴発し、弾け飛ぶ。砂埃が巻き上げられるが、ムーンは立っていた。
しかも、傷一つ無い姿で。

ベリア「な!」

ムーン「アクアサンダースプラッシュ。水の盾さ。」

ベリア「ならば・・・・これはどうだ!?」

長い剣から、稲妻の竜巻が弾ける。
そして、ムーンを狙って飛んでくる。

ムーン「ぐああああああ!!」

ベリア「(仕留めた)」

やはり砂埃が巻き上げられる。
ほこりがおさまると、ムーンの姿は無かった。

ゼイン「ムーンが・・・消し飛んだ・・・・?」

ベリア「フン・・・消えたか。」

ファイン「フ・・・・・地上に気をとられていて、がら空きになる場所はどこだ・・・?」

突然地面が爆破し、砂が散る。ベリアは何が起こったのかわからず、地面を見ている。

ゼイン「な、なんだ・・・・?」

ファイン「地下に気をとられていて、がら空きになる場所は・・・どこだ?」

ベリア「上か!」

既に遅かった。あたる寸前で稲妻を放ち、地面にたたきつけた。
ベリアはさすがにひとたまりも無く、立ち上がるのに苦労した。

ムーン「フ・・・・気づかなかっただろう?最初が剣を取る為のフェイントだったことには。」

ベリア「そうか。だから私の注意を地下に・・・・・」

ムーン「それができるのは・・・この僕のノーマルモードだからね!」

砂埃がおさまると、ムーンの姿は最初の姿と余り変わらなかったが、ラインが緑色だった。
物凄いスピードで走ると、ベリアの背後上空から稲妻で弾き飛ばした。

ベリア「ぐうあ・・・・・・五姿進化を全て使ったな・・・貴様に戦略は無かろう。諦めるんだな・・・」

ムーン「・・・・・・・・・・・・」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第162号
ページ番号
58 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日