~月編~第二十九話 雷使の魔

港町フオウスに着いたムーン達は、ムーンと同じ技を使うオーロと出会う。
そして、互角の中、ムーンは竜神から受け継いだ技を繰り出す。

ファイン「あれは竜神の鱗!」

デュアル「相手の稲妻を吸収している!?」

その通りだった。相手の稲妻、つまりボルテザークは、ミッドナイトの刃に吸収されていく。
さらに、稲妻が大きくなり、あふれ出す。

オーロ「俺の技が効かない・・・・」

ムーン「これで決着をつけよう。竜神のミッドナイト!アルティメット・ボルテクス!」

稲妻が弾け、大きな音を立てながらオーロを吹き飛ばす。
ムーンは一瞬、焦りの表情を浮かべたが、最後には勝ち誇った表情で見つめていた。

オーロ「ちくしょう・・・・俺が負けた。」

ムーン「おかしな事態だな。誰にその技を・・・・・・・

「私だ」

オーロが倒れている先を見ると、オニキスのチャオが現れた。
そのチャオはとてつもなく長い剣を持っている。

ファイン「お前・・・・雷使いのスペシャリスト・・・・・」

デュアル「ベリア!」

ベリア・・・・と名乗るチャオは苦笑し、剣を構える。
同時に、ムーンも剣を構える。

ベリア「いかにも私はベリア。組織の20の首領だ。そこにいる月の子。なかなかの奴だ。私と共に来い。」

ムーン「誰が貴様如きとつるむか!」

ベリア「そういうと思った。そこで、私が勝てば私と共にくるがいい。私が負ければ・・・そうだな・・・この「雷神晶」をくれてやる。」

その宝石を見た途端、ファインは驚く。

ファイン「なぜそれを?」

ベリア「ザルエラ火山で手に入れたものだ。まあ最も、雷神は楽勝だったが。」

ムーン「ということは・・・ミッドナイトを強くする物か。受けて立つ!」

手で「離れてて」と合図すると、ベリアに飛び掛っていく。

ベリア「私の剣の長さは天下一だ!」

ムーン「邪魔だぁぁぁ!」

その長い剣の先端を足で蹴る。だが足は稲妻に塗れ、落ちてしまう。
ムーンは驚きの表情と、疑いのもようだった。

ベリア「くくく・・・どうだ?私の稲妻は?」

ムーン「成程・・・・なら、剣は使わずに行こう!」

ムーンは赤い、有色透明な光に包まれる。すると、みるみる姿が変わっていく。
後ろ髪は上に上がり、ラインは青色に。

そしてムーンは笑いながらこういう。

ムーン「僕に勝つなぞ・・・・百億万年早い!」

ベリア「くっくっく・・・・ではいくか・・・アルティメット・ボルテクス!」

ムーン「させない!」

稲妻が放たれる直前に刃を素手で止める。さらに剣をなぎ払い、ベリアを思いっきり殴る。
だが、ベリアは一瞬笑うと、消えてしまう。

ファイン「フン・・・相手も使うか。」

ゼイン「まさ・・・かね・・・」

ベリア「カオスコントロール・・・・・・悪いが本気で行くぞ!」

ベリアはカオスコントロール、混沌を制御してムーンの上空へと移動する。
隙をとられているにも関わらず、ムーンは動こうともしない。

デュアル「ムーン!危な・・・・

ファイン「口出しは無用。あいつらだけの勝負だ。」

デュアル「しかしムーンが・・・」

ファイン「大丈夫だ。あいつは負けない。」

ベリアはムーンの上空で剣を振り回し、稲妻を溜める。
冷酷な眼つきでムーンを見ると、落下速度とあわせ、剣でムーンを弾き飛ばす。

ベリア「入ったな。」

ムーン「そうくると思ったよ。」

突然、ベリアが蹴り上げられ、空中から地面に落ちていく。

地面に激突したベリアは少し戸惑っている顔で、立ち上がった。

ベリア「なぜそこにいる?」

ムーン「気づかなかった?」

ベリアが言い終わらないうちに、ムーンは言い始める。

ベリア「まさか・・・・貴様、昔のカオスコントロールを?」

ムーン「カオス・アテレイション。残像を残し、すばやく移動する瞬間移動技。ただ、範囲が小さいのと、人数が一人・・・ってのが欠点だね。」

ベリア「く・・・裏をかかれたか。だが、もはや手加減する必要は無くなった!」

すると懐から、龍の珠の欠片を取り、覚醒させる。
輝きがおさまると、それは別人だった。

ムーン「なに!?」

ベリア「くくく・・・・ベリア特製第二の形態。キングベリアとでも言っておこうか。」

ムーン「(こいつもエンペラーの細胞を・・・・・・)」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第162号
ページ番号
57 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日