~太陽編~第二十話 最後の試練・・・氷の神

サンは山頂へ到着し、妙な光に進んでいく。
吹雪だからよく分からないが、サンの炎を頼りに、先へ進んでいるのは確かだ。

エンペラー「見てください。この石碑は・・・」

サン「どれどれ?」

雪に埋もれかかっている石碑を見つけ、拾う。
そこには何もかかれていなかった。

サン「なんじゃそりゃあ?」

エンペラー「(おかしい。三つの試練なのに、一つ無い。)」

サン「まあいいや。帰ろうぜ。」

サンが背を向け、帰ろうとした途端に、洞窟が崩れ始める。

エンペラー「サン。危険です。ここから先に進みましょう。」

サン「それしかねえし。」

石碑を持って行き、斜面を少しずつ下っていく。
斜面といっても、先程よりも数倍高いため、物凄く急で、しかも螺旋階段のようだ。

エンペラー「試練を達したもの・・・偉大なる力を手に入れるっていうこの石碑の意味は・・・なんでしょうね?」

サン「なにかかいてあるのか?」

エンペラー「炎で照らしたときは気がつきませんでしたが、吹雪が弱いここでは、雪に被さっていても分かります。いや、雪に被っていないと・・・」

そのとき、また地震が起こる。
今度は雪崩ではない。

上のほうだけが揺れているからだ。

サン「どうなってんだよぉ?」

エンペラー「まさか・・・最後の試練は・・・」

山の頂上から吹雪に纏わり、体中がヒョウで覆っている怪物が現れた。
ふぶきなので全然姿は分からないが、目が赤く光っている。

サン「げぇ!まずいかも・・・」

エンペラー「あれを倒せってことですかね?」

サン「でもよお・・・あのバケモノ・・俺等より滅茶苦茶でかいし。」

その怪物はこっちに向かって突進してきた。
ので、ヤバイと思ったサンは急いで斜面を降りていく。

エンペラー「これじゃあ追いつかれますよ!」

サン「ちくしょお!そうだ!」

炎をボード代わりにして、斜面を滑り降りていく。
エンペラーはハシリが早く、バランスが取れているので、斜面でも平気だ。

「なぜ逃げる・・・闘わぬのか?」

サン「てめえと俺じゃあ体格差が違いすぎるんだよ!」

「フ・・・闘争心がないのなら構わぬ。雪に埋もれ、くたばるがいい。」

氷のトゲがサンを付けねらい、サンはそれを華麗とまでは行かないが避けている。

サン「あったまきたぜ!エンペラー!先へ行っててくれ!」

エンペラー「分かりました」

「やっと闘うか。ゆくぞ!」

サン「てめえなんかにまけるかよ!」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第158号
ページ番号
40 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日