~太陽編~第三話 罠
軍事組織内部で、サンはあるチャオを助け出した。おっても、そのチャオがほぼ倒して、逃げた。
サン「なんでおめえ、そんなに強いんだよ?捕まってたくせに。」
???「俺?逆だ。強いから捕まったんだよ。」
気迫のある声で言い返す謎のチャオ。サンは屈せず大声で言う。
サン「第一に、礼くらい言いやがれ!」
???「勝手に助けたくせに、随分と偉そうだな。貴様は何者だ。」
人の名前を聞くときは、自分の名前からということを知らないバカどもである。
サン「俺は世界を救った「サン」だ!てめぇこそだれだっつぅんだよ!」
ジルフ「俺はジルフ。伝説の二十勇者、「ゴードント・ナード」の末裔。俺の名はジルフ・ナードだ!」
サン「にじゅうゆうしゃのまつえい?んなもん知るか!こうなったらどっちが偉いか、試してやるぜ!」
サンは立ち止まり、剣を引っこ抜く。同時に、ジルフも背中から槍をてにもつ。
ジルフ「俺のヤリにかなうものか。どこの牛の骨か知らないが、相手になってやろう。」
サン「そりゃあどうも!アルティメット・フレイザー!」
究極の炎をいきなり繰り出したサンは、秒速で吹き飛ぶ。
ジルフ「俺を侮るな。『アルティメット・フレイザー』、『アルティメット・ライナン』で返さしてもらった。」
サン「ち・・・・こいつも究極技を使うのか。てめえ、どこまでの使い手だ?」
ジルフ「俺は第五の究極技までだがな。しかも、特注品の「風」だぜ!」
確かに、槍には空気がゆがんで見える。
サン「しかたねえ、こっちもいくぜ!アルティメット・ヴォライガー!」
ジルフ「アルティメット・ライナン!」
炎の隕石は、風によってまかれるが、炎によって、逆流し、ジルフに命中する。
サン「風は慣れてるんでね。前の仲間、風使いズィードを大変相手にしてたからな。」
ジルフ「な!ズィード!?」
その言葉をきいた途端、相手はぞっとしたような表情を浮かべ、槍をしまう。
サン「あ?どうしたんだよ?」
ジルフ「どうやら俺とお前が争う必要はなさそうだ。ズィードといえば、伝説の二十勇者、「クィード・テイ」の末裔。その方がお前についていたというなら、争う必要は無い。」
サン「よくわからねえが、とりあえずいいか。俺はいま龍の珠を集めてるんだがな、何かしらねえか?」
ジルフ「龍の珠か。フン、どうやら、本当に帝王を倒したらしいな。てっきり月の子様だけかと思っていたが。いいだろ。俺もついていく。」
ジルフは一枚の紙切れを取り出し、大きく広げる。
サン「これ、何?」
ジルフ「世界地図だ。昔は月の国、太陽の国だけだった。だが、今は・・・真ん中の国、「闇の国」の北、「光の国」。東、「自然の国」、南、「太陽の国」、西、「月の国」となっている。」
サン「北に行こうとしてるからな。ダートにそういわれた。」
ジルフ「な・・・貴様、ダートも知っているのか。只者ではないな・・・」
驚きの表情を浮かべてつぶやくが、サンは気にも留めていない。
サン「じゃあ、光の国を目指そうぜ。」
ジルフ「待て、パスポート持ってるのか?」
サン「バスボート?」
サンは昔にあったボートを思い出して言う。あきれた顔でジルフは答える。
ジルフ「パスポートだ。どうやら発行してもらうしかなさそうだな。ついて来い。」
サン「どこへいくんだよ。こっちはさっき来た道だろ?」
ジルフ「パスポートがないと、他の国へいけないんだ。特に闇の国は、な。」
歩きながら「なにか」を感じ取るジルフとサン。思えば、もう夜も暗かった。
サン「こんな何もない草原地帯で、バスボートが手に入るかよ。」
ジルフ「結界が張られているな。気をつけろ。・・・・来るぞ。」
サン「結界・・?ああ、あれか。あの本体をきればいいんだろ?」
光に囲まれた場所に、妙な石があった。
ジルフ「龍の珠だな。しかしなぜこんなところに?」
サン「しつこい奴が出たぜ。出てきな!」
近くの木を一本切り倒し、中から、チャオが一匹出てくる。
???「さすがサン君だねえ。元気があるねえ。いいねえ。」
サン「ち・・・罠か。」
ジルフ「こいつ、龍の珠を使うつもりか?」
???「そのとおりぃ!」
すると、龍の珠は、どんどん闇と化し、溶け込んでいく。
続く