~月編~第四十七話 VS闇のムーン
イレンたちはシャドーと対峙するムーンを見つけ、その戦いを観戦する。
しかし、ムーンの復讐の闇の前に敗北してしまったシャドー。
ムーンを闇から救う為、イレンが勝負を挑む。
ムーンは刀を地面に刺し、小包を地面に抛る。
そして、目の前で腕を交差させる。
イレン「はあっ」
ムーン「はっ!」
イレンは白い翼・・・・・・黄色がかかったオーラを纏っている。
そして、ミッドナイトと精霊剣を持ち、構える。
ムーンは黒い翼・・・からすのようだ。
黄色というより、電撃のオーラを纏い、大きな刀を持つ。
イレン「行きます!」
イレンは自慢のスピードで、二本の剣を交差させながらムーンの背後に回る。
しかし、ムーンはいなかった。
ムーン「月神に戦いを挑むことが、どれほど愚かなものか、身を持って教えてやろう!」
イレン「くっ」
イレンはスピードで背後に移動したが、ムーンが先読みし、背後に回られてしまう。
そして、衝撃で吹き飛ばされる。
イレン「はぁっ!」
ムーン「フン・・・・弱いな。」
ムーンの身体が赤く輝き、イレンを拳で吹き飛ばす。
更に緑色に輝くと、高く飛び上がる。
そして、元の姿に戻り、刀を振りかぶる。
ムーン「ダークネス・グランドクロス!」
闇の十字架が、なんとか起き上がったばかりのイレンを攻める。
イレン「(・・・・・・・勝てない・・・・・)」
そう思ったとき、イレンの脳裏に過去の記憶がよぎる。
それは・・・三年前のチャルリン星での出来事だ。
イレン「だめだよ。こんなの出来るわけないじゃん。」
イレンは近くにいる、同じトパーズ色のヒーロー力のチャオにいう。
「大丈夫だよ♪風を見切って、集中する。そして、できると思えば出来ないことはないよ♪」
イレン「でも僕はお母さんみたいに風を見切れないし、お父さんみたいに星を自由に操れたりはできないよ。」
「僕と父さんの血を受け継いで、あの八賢者にまで助けられたんだから平気。がんばればできる♪」
ムーン「あっけなかったな。」
ムーンのその声で、現実世界へ戻る。
イレンの正面にはまだ十字架が迫ってきていた。
イレン「風を見切って、集中して、星から力を借りて、できると思えばできる・・・・・・」
リトル「イレン!避けろ!」
ムーン「もう遅い。」
だが、イレンはすばやく立ち上がり、二本の剣で十字架を受け止める。
そして、闇を徐々に押していく。
ロード「凄い!」
ムーン「フ・・・許容範囲だ。失せろ!」
地面の小包から銃のようなものを取ると、一気に引き金を引く。
しかしイレンは十字架を押し返し、銃の弾ごと打ち砕く。
あっけをとられたムーンは、あとから来る稲妻の波動に気づかず、直撃してしまう。
ムーン「ぐっ・・・」
イレン「出来たよ・・・・母さん・・・・・・」
ムーン「ここは手を引こう。・・・カオスクリスタルは手に入れた、用済みだ。」
五個のカオスクリスタルを天に掲げると、ぐるぐると廻りだす。
ムーン「カオス・アベレイジ!」
イレン「あっ」
一瞬でムーンは移動してしまう。
消えたので、どこへいったかも分からず、イレンは膝をつく。
リトル「逃がした・・・・・・・」
シャドー「心配は・・・・・・いらない・・・」
ぼろぼろの身体で起き上がるシャドー。
続けて言う。
シャドー「僕と同じような力を持つ奴だ。おそらく行く場所は近くにある星の「混沌の祭壇」へいくつもりだろう。」
イレン「でも、場所が分からなければ・・・・・・」
「全く・・・・・・全然帰ってこないと思ったら、こんなところにいたよ。」
空から降りてきたそのチャオは、先ほどの回想ででてきたイレンの母だった。
どこかで見たことあると思う人は優秀。・・・・・みなさんは知っているはずだ。
イレン「母さん!」
ロード「イレンさんの母親?」
ズィード「僕・・・あ、いや、私はズィードと申します♪お一つよろしく♪」
シャドー「あなたは二十勇者の・・・・・・・・」
シャドーがあのズィードと目を合わせると、驚いたように言う。
ズィード「話は聞いたよ。混沌の祭壇へ行きたいのなら、簡単さ♪」
イレン「母さんは知ってるの!?」
ズィード「行ったこともあるしね。チャルリン星のコーラシアの塔から行くはずだったけど、今は倒壊してるから、任せて。」
リトル「大丈夫か?シャドー。」
シャドー「僕は平気だ。追うとしよう。宝石泥棒を。」
続く