~月編~第四十五話 水対電流

ムーンの記憶障害を克服する為、イレンたちは南方の孤島へと場所を移動する。
そこには神殿があり、中の奥には祭壇があった。

その上の宝石を護る者、ユームが現れ、リトルとロードで勝負を挑む。

イレンは高みの見物、というわけだ。

イレン「ロードさん、伏せて!」

リトル「ホーリー・スパーク!」

聖なる電撃が水気に反応し、ユームは何倍もの電撃を浴びる。

最後には黒焦げになり、気絶してしまう。

ロード「酷ですね。」

リトル「ありがたく宝石はいただきます。」

宝石に手をかける瞬間、宝石は光りだす。
そして、ユームが復活する。

イレン「どうなってるんでしょう?」

ユーム「我が力を制する者の願い、一つかなえよう。」

驚いた。秘薬と聞いていたので、願いとは知らなかった。
しかし、イレンは言う。

イレン「ここから北の街にいるムーンさんの・・・力と記憶、全てを元に戻してください。」

ユーム「いいだろう。」



―とある街の病院。

「具合はどうですか?」

ムーン「・・・・・・・・・」

「そろそろ記憶が戻るころでしょう。」

その言葉をきっかけに、ムーンは目を瞑る。

次に目を開けた時、ムーンは先ほどとは目つきが少し違っていた。

ムーン「僕はなぜここに?・・・しかも・・・君は・・・・」

「フフ・・・名も無き組織の医者ですよ。君にこれを渡そうと思いましてね。」

ベッドの下から取り出したもの・・・・・大きな細長い包みに囲まれたものと、箱だ。
ムーンは手に取る。

ムーン「僕の新しい武器・・・・か。」

「それも伝説の物質、「オリハルコン」でできてます。それで、これからはどこにいくつもりですか?」

ムーン「行かなければいけない所がある。そこで僕は真の力を試すつもりだ。」

お気をつけて、とでも言わんばかりに、医者チャオは笑みを見せる。

ムーンは「新しい武器」を手に持つと、病院を出て行く。

「五つ集めると不可思議な現象を起こす「カオスクリスタル」。そのもう一つを狙いに行きました。」

「フン・・・分かった。さあムーン、かつて地の星を救った六の英雄・・・・その一つと交わる時が来たな・・・・・」



イレンたちはあれから、病院に戻り、ムーンは出て行ったことを伝えられると、しょぼくれて歩いている。

イレン「どこいったんでしょう・・・・ムーンさん・・・・・・」

ロード「迷ってても仕方ありません。」

リトル「そうだ!あそこへいこう!」

突起に思い出したような台詞。
リトルは自分について来いというように手招きし、海を渡っていく。

イレン「迷わないですよね?」

リトル「ああ、大丈夫だ。心当たりがある。あのムーンって奴からはカオスクリスタルの気配がしたから・・・おそらくあいつのとこへいくはずだ。」

ロード「あいつとは?」

ロードの質問に、リトルは答えようとしない。
ただ、ひたすら万遍の笑みを見せている。

しばらくして、イレンたちは大陸に着く。

リトル「ここの近く・・・・・・草原のど真ん中にあったはず。」

イレン「あれじゃないですか?」

イレンは、木製でできたキャンプハウスのようなものを指差す。
リトルは駆け出す。

リトル「シャドーォォ!」

探しているものの名前なのだろうか?
返事はない。

イレン「誰もいませんよ。」

リトル「おかしいな。いつも家から出ることは無いのに。」

ロード「こちらへきてください!」

大変あわてたような様子で、ロードが叫ぶ。
イレンたちはロードのいる方向へ走っていく。

その先には・・・・・・・・・・・・・!



某所、研究室。

「フフ。遂に完成する。あの世界を絶滅の危機に追い込んだ龍が!」

「そう簡単にいくのか?」

研究室の扉をゆっくりと開けた、陰に隠れた謎の生物が言う。

「あと必要なのは、精霊神の力だけです。それを手に入れれば・・・・・・・・」

「フン。言っておくが、精霊神は他の五狼神とは違う。勿論、竜輝神もだが。」

「承知しています。私めら、五大帝王が直々に迎えを参りましょう。」

「くれぐれも気をつけろ。・・・月神にもな。」

「はっ」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第174号
ページ番号
88 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日