~月編~第四十四話 宝石の守護者
イレンたちは謎に隠れたチャオ、組織の統領でもあり、ムーンの兄、ヘヴンと出会う。
ムーンは記憶をなくし、イレンの力によって(ヘヴンがやったが)もとの姿に戻った。
今は病院のベッドの上で寝ている。
「具合はどうですか?」
白衣を着た医者のチャオが、ムーンに聞く。
ムーンはもう既に起きており、考え事をしているようだった。
ムーン「まずまずのところだ。」
「私の名前、分かりますか?」
分かるはずもない―そう思うだろう。
しかし、ムーンには分からなければいけなかった。
だがムーンの反応は―
ムーン「知っているわけが無いだろう。」
ムーンとの対話は終了。
イレンたちと医者のチャオが対面する。
イレン「それで具合は・・・・」
「ふむ。なんらかの障害によって随分「心核」にダメージが大きいようだ。」
リトル「その「心核」ってのはなんだ?」
ロードはともかく、リトルとイレンは無知。
医者チャオが親切に教えてくれる。
「チャオの身体の中には「赤核」と「白核」が流れていて、その中心部分に来るのが「心核」ですよ。」
リトル「なるほど。」
「そこで、その「心核」のダメージを直す方法は・・・・・ここから南方の孤島に、封印されている秘薬があるという。それを取ってきてくれないか?」
イレン「任せてください。」
善は急げ―まさにその通りだった。
イレンたちは旅支度などせずに、すぐ海を渡っていく。
孤島は地図に書いてあったので迷わなかった。
ロード「あの情報・・・・たしかなんですかね?」
リトル「どういう意味だよ?」
イレン「ようするに、ムーンさんの力を利用しようと企み、邪魔な僕達をどこかへ生かせてしまうという奴ですよ。」
イレンが詳しく説明する。
リトルはいまいちよく分かっていないようだが、曖昧な笑顔でそれを制する。
少しばかり道に沿って歩いていくと、大きな神殿があった。
中にはドアがないので簡単に入れる。
ロード「怪しいですね。」
イレン「祭壇の上にある宝石のような物・・・あれが封印された秘薬というものでしょうね。」
リトル「僕からいこう。」
猛烈なスピードで祭壇に到着するリトル。
ソニックチャオなだけはある。
祭壇の上の宝石に手を触れようとした瞬間、リトルはその身ごと弾き飛ばされてしまう。
イレン「!」
ユーム「我が名はユーム・・・封印の水晶を護る者。」
ロード「要するに倒せということですね。」
手っ取り早い。とリトルが呟く。
ロードも自慢のカノン砲、フリージアを手にすると、構える。
リトルは槍をてにもち、サングラスを外すと、真剣な目つきになる。
リトル「あんときは油断してたけど、今回はこっちが有利。」
ロード「イレンさんはさがっていてください。」
自称、封印の水晶を護る者は、両手を前に構える。
・ ・と、ユームの説明をしておこう。
外見は白のニュートラルノーマル。
それだけだ。
リトル「格闘家が流行りなのかな?」
ロード「ふざけてないで行きますよ。」
ユーム「ふっ」
とてつもない速さで、リトルとロードの背後に移動する。
そして、拳を叩きつけるように突撃する。
リトル「アクア!」
ロード「お任せください。「バブルス」!」
カノン砲から泡が発される。
泡はユームを取り込み、身動きを封じる。
ユーム「秘術「ジ―
ロード「「ウォーターマシンガン」!」
水の弾が連射され、ユームは吹き飛ばされる。
近くには水溜りが多くでき、水滴だらけだ。
リトルは恐ろしい事を考えた。
リトル「第二の武器、「剣」。ここで電撃を撃つとどうなるかな?」
続く