~月編~第四十三話 闇の兄と闇の弟
大会は終了。
リトルの立案で、ある街へ向かう。
その途中、包帯に巻かれたチャオと出会い、イレンが勝負を挑まれるが、ワープしてしまい、どうにもできない状態だ。
・ ・・・雲の上。
イレン「ここなら邪魔者が居ないというわけですか。」
「そういうわけだ。」
包帯のチャオの後ろに、・・・・探しているチャオ・・に似たチャオが立っている。
いや、浮かんでいる。
イレン「ム・・・ムーン・・・さん・・・」
ヘヴン「僕は違う。全くの別人だ。僕はヘヴン。全ての組織の頂点に立つ者。」
???「さぁ、始めよう。」
包帯のチャオが、何も言わずにかかってくる。
精霊剣と大剣でとめるが、おされる。
イレン「あなたがこの―包帯に巻かれているものを操っているのでしょう?」
ヘヴン「そうだ。しかし、記憶を失っている。僕らの所為ではない。僕も実の弟に手を出すほ残虐非道な奴ではない。」
そんな話を聞きながらも押されているイレン。
少しでも話を聞こうと、押し返し、はじき返す。
???「くっ」
イレン「実の弟!?」
ヘヴン「おそらく、デスベルグの影響・・といっても分からないだろうな。闇の力に圧倒された影響だ。そして今の弟は―」
???「ダークネス・グランドクロス」
包帯に巻かれたチャオは、ぶつぶつと呟く。
闇の十字架が回転し、イレンに向かってくる。
イレン「くぅっ」
ヘヴン「闇そのものだ。」
???「僕の力・・・返してもらう。」
包帯のチャオは、闇を手に、持つようにして溜める。
そして、波動として放つ。
イレン「はっ!!」
白い(黄色がかかった)光に包まれると、闇は消えていく。
そう・・・イレンの「本気」というやつだ。
白い翼が、包帯のチャオの何かを変えた。
???「・・・・なんだ・・・この脳裏に動く・・・亀裂は・・・・」
イレン「その正体は・・・やはり・・・・・」
ヘヴン「察しの通りだ。」
闇の増幅で、包帯が弾け飛ぶ。
その姿は・・・・ヘヴンと全く同じ・・・・
違うところなど無い。
目は赤く、ヘヴンも赤い。
シャドウチャオで、紫に光っている。
イレン「ムーンさん!」
ムーン「・・・・・」
ヘヴン「さあ、我が弟よ。奴の中に潜む神を引きずり出すのだ。」
しかし・・・・その願はつうじなかった。
ムーンは、闇の波動をヘヴンに向けて撃った。
イレンには背を向け、立つ。
ムーン「表に出てこられたのには礼を言う。―そこのトパーズ。」
イレン「・・・・・・・・・」
ヘヴン「貴様・・・・・・・・」
ムーン「兄だからといえ、容赦はせん。」
―違う。
ムーンではないとイレンは思う。
直感?本能?
ではなく、理論的に。
ヘヴン「闇が現れたか。」
ムーン「俺はコーラシアの森で・・封印されたはずだった。もはや表の俺に記憶はないだろうな。「あのとき」の影響でやつは散った。」
イレン「あなたは一体何者ですか?」
そのとき、ムーンの姿をした者が片手を挙げ、手招きする。
イレンは恐る恐る近づいていくが、背から大剣を奪われてしまう。
闇ムーン「天下のダークムーンさ。ミッドナイト、貸してもらうぜ!」
ヘヴン「この技は使いたくなかったがな。ゆくぞ。」
互いに対峙し、向かい合っていく。
そのとき、ヘヴンはなにか・・・を振る。
強大な光でムーンの闇は消えていき、目の色も元に戻っている。
ヘヴン「無駄に時間を費やしてしまったな。」
ヘヴンも消えていく。
徐々に光で移動していき、ついた先はある街だった。
リトル「おお。帰ってきたか。」
ロード「幻だったようです。あの道は。」
そんな彼ら(彼女ら)が不思議そうにムーンを見る。
イレン「この方は・・・・・探していた・・・・ムーンさんです。」
ロード「かつて近くの星を救った?」
なぜ知ってるのかと聞いてみたくなったが、今はムーンの手当てが先決。
近くの病院(この世界でいうとチャオ・コールでC・C)に運ぶ。
さて・・・起きるのはいつだろう?
続く