~月編~第四十二話 本気の「「神」」
南海の街、シー・サウス。
そこで、イレンは無理矢理チームレースonバトルに参加させられる。
バトル開始早々、ロードとリトルは気絶してしまい、残ったのはイレンのみ。
ジャステ「できるだけ準備は早くしてもらいたいな。」
イレンは右手の精霊剣を地面に突き刺し、左手の鎖につながれた大剣を担ぐ。
そして、黄色・・がかかった白い光が見えてくる。
シュラ「来るぜ。」
クラク「準備はいいな。」
イレン「さて・・・」
イレンの背の羽が、大きな・・白い翼、ムーンのラストモードのような格好になっていた。
大きな帽子がゆらつく。
ジャステ「それを待っていた。」
ジャステとシュラ、クラクは一箇所にまとまり、鎖の輪が周りを旋回する。
さらに、先ほどのシュラとクラクの合体技・・・のようなものが、気を発している。
クラク「鎖」
シュラ「塵」
ジャステ「拳!」
鎖が竜巻のように大きく回転し、風が吹き荒れる。
無論、周りの観客・・・はいないはずはなかった。
巻き込まれてしまう。
そう思ったイレンは、竜巻の中に飛び込んでいく。
ジャステ「終わったな」
イレン「右手の剣、精霊剣。左手の剣、漆黒の剣。白き精霊、一つに!」
二つの剣が白い(黄色がかかった)剣になる。
そして、竜巻は一刀両断され、その波動でジャステらは吹き飛ぶ。
シュラ「完敗だ。」
暗い闇に包まれて、ジャステ、クラク、シュラは消える。
イレンはほっとすると、ロードとリトルを担いで去っていく。
いつの間にか、背中の翼は消えていた。
・ ・勿論大会は罠なので、商品は貰えないだろう・・・・・・・
ジャステ「任務失敗・・・です。」
「まあいい。データは取れた。それより、やつは派遣したか?」
シュラ「はい。我ら「拳」は耳にするだけでしたが、しかと「五大帝王」様が派遣したようです。」
クラク「なんでも記憶をなくしているとか・・」
暗闇の中にいる・・者は、笑ったように見えた。
「我らが首領様の野望・・・達成はもうすぐだ・・・」
リトル「ああ・・・辛い。」
イレンたちは大会が終わったので、次なる場所を求め、海をさまよう。
それもこれも、リトルの所為だ。
以下、回想シーン。
イレン「ということは、その「普段は普通、カオスクリスタルを持つと最強」という異名をもつ・・・」
リトル「異名じゃない。俺の愛称だ。そいつは確か、ここから・・・東にいたはずだな。」
ロード「行ってみましょう。」
回想シーン終了。
一応、陸地には着いた。
だが、家・・街さえも見えてこない。
イレン「リトルさん、しっかりしてくださいよ。」
リトル「悪い。反省してる。」
おそらく反省してない。
前から来ている全身包帯に巻かれたチャオに興味を持って・・・笑っている。
ロード「何者でしょうね?」
???「・・・・・・トパーズの者。」
イレン「僕ですか?」
少し不機嫌そうに、イレンは答える。
包帯のチャオは、目は・・・赤い・・・目だ。
それ以外は見えない。
???「そうだ。ここで勝負を挑む。」
イレン「なぜですか?」
リトルとロードは「そうだそうだ。」と同情するように表情を作る。
包帯のチャオは、少しためらいながら言う。
???「僕の力・・・君を倒せば返すといわれたのでな。」
イレン「・・・・・・・・・・・・・」
イレンは考える。
なにをかんがえるか?
相手が探していた人物かどうか。
似ているから、考える。
イレン「その前に、質問が二つあります。」
???「いいだろう。」
イレン「一つ目、あなたはさきほどの大会を見ていましたか?二つ目、あなたは何者ですか?」
目をつぶりながら、包帯のチャオは答える。
???「前者、見ていた。後者、・・・自分で考えるのだな。」
リトル「危ない―
遅かった。イレンと包帯のチャオは、光に包まれて、雲の上へと移動してしまった。
おそらく・・・リトルの記憶では・・・・
そんな気持ちを促すかのように、雨がぽつぽつと降る。
ロード「待ちましょう。」
リトル「それしかできないだろ。」
続く