~月編~第三十九話 アクアタワー編、完

オーシャンスター、アクアタワー内部での大会。

見事に指名手配者、ドリアムを倒したイレン。
その性格と、強さのギャップに疑問を持ちながらも、前回優勝者、リトルと戦うこととなる。

そして、イレンは精霊剣と呼ばれる、霊剣を用いて、リトルを追い詰めるが・・・・・

リトルは第三の武器、三椏の剣を装着する。

果たして勝負の結末は・・・・・?

「出ましたァ!前回優勝者の本領発揮です!」

リトル「陸戦なら三椏の剣、空中戦なら剣、水中戦なら槍と決めていたんだけどなぁ。」

イレン「仕方ありません。すぐ終わらせます。」

リトル「三椏の剣、奥義・・・・ホーリースパーク・改!」

光が、徐々にイレンに覆いかぶさっていく。
全身が包まれた瞬間、会場に電撃が奔る。

だが、イレンは既にリトルの後ろにいた。

リトル「何!?」

イレン「行きますよ・・・かつて、最強と謳われたチャオの剣です!」

イレンが、風呂敷にかぶさったその剣を振るだけで、リトルは場外へとたたき出される。
会場の全員、誰が予想していただろう・・・?

このような結果になることを。

しかし、イレンは勝った。
最強のチャオの剣で。

「か、勝ったのは・・・優勝者はイレン選手です・・・・」

イレン「あれ?優勝パレードとかは?」

優勝パレードは無く、リトルもその場から退場する。
そこで、司会者が優勝賞金とペンダントを授ける。

会場に見送られるような気がしながら、イレンは出口へと歩いていく。

「見つけましたよ。あの刀を持った少年を。」

『引き続き調査していろ。』

「分かりました。」

外に出ると、見覚えのある光景が広がった。
海岸・・といっても砂ではなく木の上。

そこに座ると、道具袋の中にペンダントを入れる。

イレン「さてと、ここは狭い星だからなぁ。どこをどういけばいいか。」

「僕に任せな。」

イレンの後ろから、リトルが歩いてくる。
いつものサングラスをつけて、まるで出かけるような旅支度。

イレン「あ、あのときの。」

リトル「お前に負けたからなぁ。会場に行っても無駄だろ?だから、旅に出ることにしたんだ。」

イレン「そうなんですか。」

リトル「さっきこの星は狭いっていってたが、この星は広い。海を渡っていけばな。」

そうだった。とイレンはうなづく。
同時に、リトルは何かを取り出す。

リトル「光学製サーフボード。お前も乗っていこう。俺と一緒に行くんだ。」

イレン「まあ案内してくれるのなら行きますけど・・・」

リトル「よし、決まりだな!」

イレン「この星に組織とか暗部とかってあったりしません?」

リトル「組織はあるし、暗部もある。」

意外にあっさりと言ったので、イレンは少し驚いた。
さっきまで輝いていた目が、急に疑いの目になった。

イレン「ということは、この星に捉えられているかもしれませんね。」

リトル「誰が?」

イレン「え?あ、この写真に写ってます。」

さっきの道具袋から一枚の写真を取り出すと、リトルに見せる。
そこには、チャオの後姿が映っていた。

イレン「見たことありません?」

リトル「俺は無いな。だけど、あいつなら知ってるかも。」

サーフボードを海の上に浮かべながらリトルは言う。
同時に、イレンもスケートボードを海の上に浮かべる。

イレン「あいつって・・誰ですか?」

リトル「お前のサーフボードもかっこいいなあ。あいつってのは、世界中、宇宙中を旅してるすごい奴さ。昔の友達でな。この全ての星のどこかに五つだけあるという宝石を捜してるんだ。」

イレン「その宝石というのは?」

リトル「カオスクリスタルってやつさ。」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第167号
ページ番号
77 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日