～月編～第三十八話　指名手配中対争い嫌い

始まった塔の激闘。
イレンのおかげで闘いが止まり、再び続行すると、赤いダークヒコウのチャオが全滅してしまった。

イレンはそのチャオと目を合わせる。

イレン「強いですねー。」

？？？？「当たり前だ。指名手配されるぐらいな。」

指名手配という言葉に驚くと、係りの人が調査結果の資料を持ってきて、実況のチャオに伝える。

「なんとー！赤いチャオは指名手配中の、一閃地激のドリアムだった！」

イレン「聞いたことある・・・確か数十万の軍兵をたったの一分で全滅させたと。」

ドリアム「その通りだ。お前のような初心者が勝てるわけなかろう。」

そういいながら弓に矢をかける。
狙いを定めると、一気に撃つ。

その矢からは妙な波動が出ており、直撃したと思われた瞬間、爆破した。

イレン「特殊な機械加工がされてるようですね。」

ドリアム「ほう。見抜くとは・・・なかなかやるな・・・」

ドリアムは矢を連射する。
わざとなのか、一本も命中しない。

それどころか、イレンは一歩に動かない。

イレン「では・・・行きます。」

ドリアム「乱棟乱舞！（らんとうらんぶ）」

一本の矢は、何十本もの矢になり、連射される。
イレンは、それら一つ一つを見切り、軽く避け、ドリアムの目の前に来る。

ドリアム「な・・・・・」

イレン「間合いにくれば・・・斬れる！」

背から一振りの剣を抜く。
特性なのか、光の翼が中央に位置する宝石から出ているようだ。

刃はいたって普通。

だが、一回振ると、矢は折れ、ドリアムも吹き飛ばされる。

「ドリアム選手、一撃でダウン！勝ったのは・・・イレン選手！」

ワアアアアア！！と、歓声が起こると同時に、イレンは少し帽子で顔を隠す。
ドリアムもＣ・Ｐ（チャオポリス、警察）に捕まり、一件落着だ。

「僕と闘うのはあの少年か。久しぶりに燃えてきた・・・」

「おーっと！イレン選手には前回優勝者への戦闘権利が与えられる！どうする？」

イレン「勿論、やります。」

イレンの返事を待つ前に、青いソニックチャオは舞台へ上がる。
そして、対峙する。

マントを投げ捨て、サングラスを外す。

胸についたペンダントも外し、代わりに一本の槍を武器とする。

イレン「名前は・・・・・？」

「全く無名のイレン選手、前回優勝者、「リトル」に挑みます！」

リトル「いくぜ！」

青い身体が急に銀色に輝き始める。
槍の先端には白い宝石があり、そこから出る波動によって力が上がるらしい。

イレン「は！」

リトルは飛び上がってヤリを突き刺すように突進する。
イレンは剣を横にしてそれを防ぐが、リトルはすぐ退き、パーツを上へ投げる。

それをヤリと組み合わせ、剣にする。

リトル「僕の三段変化武術！二つ目の剣！」

イレン「いいでしょう。僕の精霊剣が相手になります！」

互いに一歩も退かない剣の打ち合いになった。
金属音が流れる中、観客は熱心に観戦している。

リトル「どうやら、俺の本当の力を出さなければいけないらしい。はああああ！！」

イレン「！！」

銀色の身体は更なる波動を受け、金色に変わっていく。
剣は、パーツを組み合わせ、フォークのような形になる。

リトル「三つ目の武器、三椏の剣！（みつまたのつるぎ）」

イレン「どうやら、こちらも本気で行かないと駄目らしいです・・・」

続く