~月編~第三十七話 大洋の星

謎の地、オーシャンスターは、ほぼ海だった。

その上に、わらのようなものが浮かんでおり、家が建っている。
とても丈夫なわらだ。

警戒しながら歩いていくと、ひときわ目立つ塔があった。

綺麗で、水のように輝いている。

そこから大きな声援が聞こえたので、すぐ向かった。

入り口に到着すると、また人だかりができていた。

「なんだろう・・・・?」

少年は立ち止まって観察してみる。
そこでは、黒い高そうな車から、青いソニックチャオが出てきた。

青いといっても、線が入っているので、ピュアチャオだ。

「ハロー諸君!今回の大会も、この僕が制して見せるさ!」

ワァァァァァァァ!!と、大歓声が沸き起こる中、塔の中にソニックチャオは入っていく。
続いて、少年もこそこそと入っていく。

中は広く、受付のようなところがあった。

「失礼しますが、参加エントリーはお済みで?」

「いえ。」

「なら急がねばいけませんよ。お名前は?」

名前を聞かれると、とっさに鋭い目つきになる。
何故かは分からないが、受付員は気にしなかった。

「イレン・ド・テアハニィ・ジェルです。」

「(長い名前だな)登録完了いたしました。控え室は係員が案内いたしますので、どうぞこちらへ。」

少年・・・イレンは、控え室へと案内される。

その間の廊下で、写真が飾ってあった。

どうやら大会歴代優勝者の写真らしい。

イレン「さっきの人は・・・・まだ飾られてないのかな?」

「ここです。」

控え室に入ると、椅子と机、ロッカーが用意してあり、割と広かった。

「試合の組み合わせは放送で発表されます。では。」

ドアをバタンと閉め、係員は行ってしまう。

イレン「ふぅ。でもあの青いソニックチャオ、強いのかなぁ?もしかしてあの人の手掛りを知ってるかも。」

時間が経ち、放送がかかる。
試合はすぐ始まるとのことだ。

形式は非常に簡単で、全員いっぺんに闘うそうだ。

イレン「うわぁ。早く行かなきゃ。」

早歩きで会場、舞台へ着くと、すぐさま笛、試合の合図が大きく響いた。
少し安心したイレンは、真剣な目つきになると、口を開こうとする。

イレン「まってください!」

突然の大声に、みんなは驚愕して止まる。
イレンが続ける。

イレン「戦いになれてないものでして・・・話し合いで解決できませんか?」

「あのぉ・・・ここは戦う場所なので、話し合いには向いてませんよ・・・」

係員がイレンに近寄ってこそこそと話す。
気づいたイレンは少し照れくさそうにいった。

イレン「あ、すいません。間違えてしまいました。」

「では試合を続行します。」

その合図と共に、大勢が組み合っていく。
イレンはただ呆然と、その光景を見ているだけだった。

だが、あるチャオによって、全員吹き飛ばされてしまう。

赤色のチャオだ。
ダークヒコウで、弓矢を持っている。

????「どうした・・・・もっと強いやつはいないのか・・・」

会場の上にはイレンと赤いチャオだけだった。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第166号
ページ番号
73 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日