~月編~第二十五話 絶体絶命 闇の力
全てのブロック戦が終了した。次は準決勝。ムーンとズィードが戦う。
コレイナ「さてさて準決勝、試合を始めます!」
合図がかかった瞬間に、剣を組み合う。
ムーンはミッドナイト。ズィードはあの、風牙真剣だ。
ムーン「なかなかの力だ。」
ズィード「へえ。そういってもらえてご光栄だね!」
風が吹き荒れ、視界がふさがる。風は既に風ではなく、・・・衝撃波のようだ。
ムーン「こういうのなら、僕もできる。アルティメット・ボルテクス!」
ズィード「アルティメット・サイクロン!」
稲妻の竜巻が風を巻き、消し飛ばす。だが、そこへ風が再び流れ込み、意味が無かった。
と思えた。
ズィード「残念だけど、無駄だよ。」
ムーン「(僕の勘だと・・・物凄く危険な感じがする。速く終わらせないと!)」
先程のボルテクスがズィードの風と共に跳ね返ってくる。
そう、逆流してきたのだ。
ズィード「消し飛べ~♪」
ムーン「一瞬で終わりだあ!アルティメット・ボルテストリーム!」
稲妻が風をも逆流させ、竜巻となってズィードを弾き飛ばす。
予想外の展開だったので、ズィードは余も無く場外負けだ。
コレイナ「決勝戦出場者、ムーン選手!」
ズィードとムーンは会場の中心にくる。握手を交わし、去っていく。
コレイナ「さてさて、ハイスピードで行きましょう!準決勝、・・・・・ってあれ?」
そこには、傷だらけのネフォがいた。そこの上に居るのは、あの・・・メテイルだった。
ムーン「な!あれは・・!?」
コレイナ「なんということでしょうか!ネフォ選手がやられています!」
メテイル「フン。さっさとはじめるぞ。決勝戦を。」
その言葉には悪意がこめられていたような気がした。が、ムーンはそれに応じず、会場へ自分から上がっていく。
ムーン「君が何をしようと知ったことではないけど。君から・・・・混沌の祭壇のにおいがする。」
メテイル「フン。賢者か。不足は無い。勝負だ!」
ムーン「最初からそのつもりだ。僕は君を・・・・倒す!」
そのとき、大きな音でアナウンスが入った。
・ ・・・・警報音・・・・と共に・・・・・・
「宇宙から、人口彗星がこちらに向かっている。急いで建物を出て、自分の目で確めろ。」と。
メテイル「くっくっく。残り時間は少ないぞ。3時間で・・・・激突し・・・この世界は消えてなくなる!はーっはっはっは!!!」
ムーン「やっぱり君か。だけど、そんなこと、僕がさせん!」
剣を振りかぶって、メテイルへ走っていく。
メテイルは鉄球を飛ばすが、ムーンは避ける。
・ ・・たはずなのに、鉄球が二、三、四、五、・・・とムーンを吹き飛ばす。
メテイル「こいつは八岐大蛇の牙でできた鉄球。縮みもする。数は・・・九つだ!」
ムーン「あの鎖でつながってるものの中に入ってたってのか。」
メテイル「そういうことだ!」
九つの鉄球を華麗に避け、メテイルを右腕で思いっきり殴る。
ムーン「いったはずだ。僕は・・・・負けないと。」
メテイル「気づかないか?くくく。鎖で貴様が、捕らえられていることに!」
ムーン「な!」
よく見れば、鉄球がばらばらに散ってるように見えて、鎖がムーンを取り囲んでいた。
メテイル「俺がこれを巨大化させれば、おめえは粉々だぜ!」
ムーン「ふざけるな!アルティメット・ボルテザーク!」
稲妻がムーンから波動となり、鎖は全て吹き飛ぶ。
だが、メテイルの顔には余裕の表情が浮かべられていた。
メテイル「鉄球は俺の力を押えるための物だ。気づかなかったか!」
ムーン「しまっ・・・・・
もう遅かった。隕石のような拳になり、黒いマントがぶち破れ、岩が羽のようになる。
メテイル「終わりだ!メテオス・インパルサ!」
隕石が幾つも飛び散り、一つのレーザー砲になる。
ムーン「アルティメット・ボルテストリーム!」
メテイル「メテオスインパルサ!」
レーザー砲は逆流し、竜巻になるが、再びレーザー砲が回復し、竜巻と共に吹き飛んでくる。
ムーン「もう一度・・・・跳ね返す!」
メテイル「ばかめ。」
通用しなかった。稲妻は逆に吸い込まれ、コチラへ跳ね返ってくる。
ムーンは思いっきり吹き飛ばされる。
ステージはもうぼろぼろだが、ムーンは場外へ落ちていなかったのぐらいは分かった。
ムーン「く・・・この星を破滅させて・・・・たまるかあああああ!!!!!」
メテイル「俺は相手の技をコピーできる。メテオスインパルサの最大奥義・・・オーバーヒュージョン!!」
闇の輝きが激しく増し、衝撃波どころではなかった。
今までの攻撃の数万倍は強力で、会場はぼろぼろである。
ムーン「(ボルテストリームは・・通用しない・・・・普通に攻撃すれば、またコピーされる。よし。一か八か!)」
その闇の衝撃波の中にムーンは自分から飛び込んでいく。
メテイル「はははははは!血迷ったか!」
相手の闇の力は強大で、とてつもなかった。
続く