~月編~第十二話 Bブロック
Aブロックの試合が全て終了し、次はBブロックだ。
「第一回戦は、クロンVSテインです。試合開始!」
やはりゴングは鳴らなかった。壊れているからだ。
クロン「俺の刀のカビにしてやるぜ。」
テイン「ふ・・お前にやられる様なことが起きたら、奇跡だ。」
テインは何ももたずに構える。クロンはもちろん、小刀を持っている。
ムーン「刀の錆だよね。」
クレス「どう考えても間違ってるなぁ。」
クロン「覚悟を!」
クロンは突撃していく。が、膝打ち一撃で、倒れてしまう。
「一回戦、勝者はテイン選手です!続いて二回戦は―」
ゾウログ「俺だな。」
プラノ「俺だ。」
二人同時に、そういう。リングに上がると、すぐ始める。
「まだ開始の合図してないのに。」
ゾウログ「魔術、陽明!」
輝く炎が、プラノを取り囲んだ。だが、風により、はじかれる。
プラノ「一撃で決めてやるぜ!」
ゾウログ「至近距離・・・・「‘%$#*+@&」!」
ゾウログは何を言っているのかわからなかった。だが、その瞬間、プラノはリングアウトしてしまう。
「二回戦、勝者・・・・ゾウログ選手。」
ムーン「今なんていった?」
クレス「ん・・・あの人だ・・・・」
突如、リングに現れたチャオ、ティラ。そして、ジャンプして空から来る、ファインという名の男。
ティラは茶色ピュアで、オニチャオ。ファインは、グロウくりそつで、スカーフを着けている。
ムーン「グ・・・グロウ・・・?・・」
クレス「し・・・・師匠・・・・・・」
「さぁ、第三回戦、はじめです。」
それは突然の出来事だった。光の衝撃波によって、ティラは気絶してしまった。
ファイン「フン・・・愚か者め。」
「第三回戦・・・・・勝者?ファイン選手・・・?」
ムーン「間違いない・・・・」
クレス「師匠だ・・・・・」
そのファインは、青色のスカーフを靡かせ、控え室に帰ってしまう。
「四回戦、ステウVSアーケオです!」
辺りは静まり返る。見えないほどのスピードで、ステウとアーケオはいつの間にか戦っていた。
ステウ「くらえ!」
アーケオ「そこだぁ!」
二人とも格闘家で、相打ちになってしまう。だが、もう少しというところで、二人ともリングアウトになる。
「????」
ムーン「引き分けだな。」
「それでは引き分けということで、Bブロックの試合は終了といたします。」
映像はプツリと消え、控え室は静かになる。
ムーン「ねぇ、さっき師匠って・・・・」
クレス「さっきグロウって・・・・」
二人は同じ事を考えていた。
ムーン「あぁ、あれは僕の兄。・・・に似てるんだけど・・・」
クレス「うん、あの人は僕の鍛冶師匠。なんだけどぉ・・・・」
ムーン「ファインって・・名乗ってたから・・・・違うのかな。」
クレス「でも、僕の師匠であることは間違いないよ。」
暗い表情をして、ムーンは部屋を出て行く。
ムーン「一体・・・・・あいつは・・・・・」
廊下を歩きながらムーンは思う。と、そのとき、ふと頭の中に、自分の知らない「記憶」が現れる。
そう、グロウ・・・・ではなく、ファインと・・・・共に戦っている情景が。
クレス「もし・・・・ムーンのいってる人と、師匠が一緒だったら、この石は・・・・ムーンの・・・?」
クレスもまた、考え事をしていた。
控え室~廊下
先程から立ち尽くし、考え事をしているムーン。すると、前方から、ファインが歩いてくる。
ムーン「グ・・・・グロウ・・・なの?」
ファイン「・・・・・・・・」
そのチャオは少しも振り向かずに、早歩きでいってしまう。
「違うんだ」と、ムーンは自動的に、思い込んだ。
続く