~月編~第九話 ナゾの力とよみがえる記憶?
ラントの最大の攻撃に対し、ムーンは剣で斬る。すると、稲妻と、大きな風が起こる。
ムーン「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ラント「な!」
ラントの弐・闇双々は、稲妻により逆流し、ボルテクスのように竜巻になって返される。しかも、数が数個ある。
そして、ラントに直撃し、竜巻は消える。
ムーン「やった・・・・・か・・・」
ラント「く・・・あぶな・・・かった・・・が、・・どうやら・・・俺の勝ちだ・・・」
ラントはダブリュウを投げ、ムーンに当てようとする。ムーンは既に力尽き、倒れてしまっていた。
ムーン「駄目だ・・・もう・・・おわ・・り・・・」
(終わりではない)
ムーン「・・・・・ミラフォース・・・まだ、戦う力は・・・残されている・・・・」
ダブリュウはムーンに直撃する前に、はじき返されてしまった。
ラント「な・・・・あいつ・・・ちか・・らが・・残ってい・・る・・・?」
ムーン「・・・・・・・・・・」
何も言わずにムーンは立ち上がる。右足を膝ま付き、左足で立つ。そして、左腕を首の後ろに回して剣を持ち、右腕をカバーしている。
ラント「ダメージ・・・・が・・・相当・・・・きている・・・ようだな・・・だが・・俺は・・・」
ムーン「・・・・・・・・・・・・・・闇だな」
予想通り、ラントは闇に包まれ、傷ひとつ無い姿で出てくる。
ラント「これで・・・・ジ・エンドだ!弐・闇双々!」
闇に包まれた衝撃波が、さっきとは比べ物にならないほど大きくなっている。
ムーン「・・・・僕は・・・・・・・」
ラント「砕け散れ!」
ムーンはミラフォースで衝撃を防御しているが、やはりおされている。ラントは追撃を食らわす体制に入る。
ムーン「くう・・・・ううう・・・」
ラント「二重!弐・闇双々!」
さらに闇の衝撃波が追加され、吹き飛びそうになる。
ムーン「・・・・うう・・・僕は・・・僕は・・・・何者なんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
突然狂ったかのように、稲妻が迸り、方々に散らばる。今までのボルテザークのときや、ギガソードのときと、比べ物にならなかった。
ラント「なに!?どこにそんな力が!?」
ムーン「この・・力!つかわさせて貰う!クレセントサンダー!」
今までより強力、というより、ボルテザークよりもしのぐ稲妻が、ラントを吹き飛ばし、一撃で気絶させる。
ラント「流石は・・・賢者・・・・」
ムーン「僕の・・・・この力は・・・何なんだよ・・・・・・」
クレスを背負って、少し東へ向かう。さっきの並外れた力により、ムーンの体力は回復した。
その町は、ずっと前の大都会なんてものが、ちっぽけなほどに思える大都会だった。
しかも、今の時期は何らかの祭りらしく、大賑いだ。
クレス「ん・・・・ムーン・・・・・・あいつは・・・・」
ムーン「僕が倒した。とりあえず、ここで休んでて。」
商店街のベンチに寝させると、ムーンは何処かへ行ってしまう。クレスは、心配しながらも、眠りに着く。
ムーン「この記憶によると、確かここで、大会が開かれたとか何とか。」
ムーンでもよく分からないが、先ほどから、自分の知らない記憶があるのだ。
そして、それは的中した。
「今日の十時から、楽しみ~。」
「なんせ、年に一度の世界大会へ出られるチャンスだからな。」
ムーン「やっぱり大会か・・・」
エントランスと書いてあるところへいくと、メンバーリストを渡される。その中には、いろいろなチャオの名前が書いてあった。
「参加するのでしょうか?」
ムーン「はい。」
「では、こちらにお名前を。ルール説明をしますね。リングに一対一で向かい合い、リングアウトさせるか、気絶させれば勝ち。勝負は、Aブロック~Dブロックまであります。」
ムーン「僕のブロックは?」
「抽選で決めますので、あしからず。それでは中へどうぞ。」
そのチャオに勧められ、中へ入った。ずいぶんと有名な大会らしく、「ムーン様、ご控え室No,3」と書いてあった。
ムーン「ここは、僕だけの部屋か。そういえばクレス・・・そうだ・・休む前にクレスを連れてこよう。」
それからムーンは、寝ているクレスをつれ、控え室で一夜を空けるのだった。
続く