~月編~第八話 左腕の封印
ラント相手に、クレスは気絶してしまう。そこで、ムーンが挑む。
ラント「覚醒」
ムーン「な!?」
昼だというのに、輝きが辺りを光らせる。
ラント「いくぞ、賢者ムーン。」
ムーン「だから・・・・・・・」
ムーンはうずくまり、拳を握り締める。
ラント「メタル―クラッシュ!」
ムーン「だから賢者ってなんなんだよ!!」
鋼鉄の衝撃波をものともせず、稲妻が迸り、はじき返す。
ラント「さすがは賢者。そうだな。俺に勝ったらその秘密、教えてやろう。」
ムーン「約束だな。いくぞ!」
右腕に剣を持ち、究極技を溜める体制に入る。
ラント「奥義・・・・・弐双々!(にそうそう)」
ムーン「究極技―アルティメット・ボルテザーク!」
巨大な雷の剣がラントを突き刺すが、鋼鉄の液体により、防がれ、ムーンに直撃する。
ラント「これで分かったか?所詮、エンペラーなぞ、闇にとらわれた雑魚に過ぎない。」
ムーン「でも、違う。お前は・・・・もっと・・・・雑魚だ!」
ラント「黙れ!」
衝撃波で、ムーンを吹き飛ばす。だが、ムーンは立ち上がる。
ムーン「僕の友を馬鹿にするお前なんか、所詮雑魚だ!」
ラント「どうやら、本気で死にたいらしいな。いいだろう。」
連続で打撃を繰り返すラント。本気でやっているにもかかわらず、ムーンは防いでばかりいる。
ムーン「ぐあ!」
ラント「右腕の神経を麻痺させた。これで一定時間、貴様は動けん。」
カラン。という音と共に、ミラフォースが落ちる。ムーンは、左腕でミラフォースを拾うが、吹き飛ばされてしまう。
ムーン「(強い・・・今まで戦ってきた誰よりも・・・・・)」
ラント「・・・フ・・・しょ・・・ん・・き・・・ま・・この・・・どか・・・」
ムーンの目はかすんでいき、声もきき取れなくなっていく。
ムーン「でも・・・ここであきらめたら・・・おしまいだ。」
(今こそ封印をとくべきとき)
どこからともなく、ムーンの頭の中に声がする。それは誰が話しているのかはわからない。
ただ、ムーンにはその声が、何処か懐かしい気がした。
ムーン「封印・・・・・・・・?」
ラント「とど・・・・・く・・・・・ぜ!」
ムーンはなぜか、敵の動きが、手に取るように分かった。そして、間合いを取り、体当たりする。
ムーン「はぁ・・・はぁ・・」
ラント「くは・・・・なんだと・・・」
ムーン「・・・・・(左腕から・・・力が注ぎ込んでくる・・?)」
左腕とミラフォースの赤い珠は共鳴しあい、ムーンのダメージを回復させていく。
ラント「な、何を・・・・・」
ムーン「調子復活!いくよ!」
ラント「フ・・・流石は賢者。だがな・・・エンペラーの細胞をコピーした俺には・・・貴様の攻撃など通用せん!」
ラントの身体は闇に包まれ、姿を変える・・・そう、エンペラーと同じだ。
ムーン「細胞を・・・・コピーした・・・・?まずい!」
ラント「奥義・・・・・・弐・闇双々!」
ダブリュウを闇が取り囲み、衝撃波が乱れて弾ける。
ムーン「仕方ない・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ラント「終わりだぜ!」
ムーン「ここだあああ!くらえぇぇぇ!!!」
そのとき・・・稲妻と同時に、強大な風が吹く・・・・
続く