~月編~第五話 龍の珠、覚醒

デュアルは最強最悪の「ゼブル」相手に、腐心の拳を喰らってしまうが、フアンの危機にゼブルのところへ。
だが、その正体は・・・・完全にもとの姿となったムーンだった。

ゼブル「貴様・・・・・・なぜあの姿のままここにいる?」

苦笑けながら言うゼブル。表情を一切変えずに、ムーンは答える。

ムーン「・・・・腐心の拳、いや、腐心の薬・・・それが薬だと気づいたのは、デュアルの状態を見てだね。なぜあんなに苦しんでいたか?君ならわかるだろう?」

ゼブル「俺は腐心の薬は先ほどまでは討っていない。だが・・・・

ムーン「だが、剣を腹に突き刺した。それでも、デュアルは格闘家なので、見切れて気をバリア状にはったんだ。」

ゼブル「そこまででは、本当の秘密は気づいてないようだな。」

ムーン「いや・・・・・・・」

月が一瞬雲に隠れて見えなくなる。辺りは真っ暗で、ほぼ何も見えない状況だ。ムーンは続ける。

ムーン「剣を跳ね返せるほどの力があると分かっていたのなら、君は有利にするため、腐心の薬を討ったはずだ。でも、討たなかった。なぜか?それは・・・」

再び月が姿を現す。と、同時に、ゼブルの視界からムーンはいなくなっていた。

ゼブル「逃げた・・・・・のか?」

ムーン「それは・・・・・腐心の薬は、一回討ったら二度と効かない!そして、拳の技だったら、無制限にうてるはず。」

ゼブル「どこだ?」

ムーン「そうさ、お前の薬は、もう・・・・・・・きれている」

その言葉とほぼ同時に、ゼブルは空中へ蹴りあがる。

ゼブル「懐か!」

ムーン「君?この言葉を知ってるかい?「毒をもって毒を制す」。そう、まさに・・・・」

ゼブルは後ろから真下に蹴り飛ばされ、地面に叩きつけられる。ムーンは目の前に来る。

ゼブル「貴様のような餓鬼の事をいうんだろう?」

ムーン「そうだよ。じゃあ、真面目に勝負と行こうか?」

ゼブル「一つ聞く。なぜ、泉は俺が封じたはずなのに、姿が変わっているのだ?」

先ほども言ったとおり、ムーンは幼体から成体になっていたのだ。主流山の泉はゼブルがふさいでしまった。

ムーン「薬なら、泉の水じゃなくても、普通の水で大丈夫だ。」

ゼブル「だが、町の水の材料は泉の水。泉が防がれた今、水は取れないのでは?どうだ?」

ムーン「気づかない?小さい泉ならともかく、これだけ広い山に、小さな泉なわけないだろう。湖だ。」

町には、霧が発生していた。霧は、山の湖から発せられるものであり、湖から発せられた霧は、湖の「水分」が含まれている。霧を集めれば、飲める。というわけだ。

ゼブル「誤算だったな。だが、勝つのは俺だ。」

ムーン「それはどうかな?」

よくみると、木がどんどん倒れていく。そして、森の中に、二匹のチャオが現れた。

デュアル「ムーン、一人でかっこつけてるんじゃねえぞ。」

フアン「あいつ、ゼブル嫌いアル!」

ゼブル「ち、お前らか。」

舌を鳴らすゼブル。続いて、小袋から石を取り出した。

ムーン「きらきらひかるそのカケラは・・・・龍の珠!」

ゼブル「そうさ・・・・覚醒!」

そう叫ぶと、龍の珠のカケラは強く光り、一体化していく。

デュアル「真剣勝負といこうか。」

ゼブル「その必要は無い。」

黒チャオを大勢連れ、デュアルとフアンは一撃で気絶する。

ムーン「すごいスピードだ・・・・」

ゼブル「次のターゲットは・・・・貴様だ・・・

その瞬間、黒チャオは全滅した。刀で闇を切裂いたように、弾き飛ばされていた。

ムーン「誰だ!」

ゼブル「なっ!」

???「ムーン・・・久しぶりっ!僕が手助けする!」

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第149号
ページ番号
9 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日