~最終編~第五十話 『『ライバース』』

デアムはにやりと笑うと、不死鳥に闇を当て、闇に取り込んだ。

デアム「闇の不死鳥だ・・・・ダーク・フェニックス!」

どす黒い鳥が、ムーンを吹き飛ばし、海の中へと落ちていく。
とっさに、サン達がムーンを追うが、間に合わなかった。

デアム「ダークフェニックス!」

闇の不死鳥は再び舞い上がり、吹き飛ばす。
祭壇の中心に近づいていくデアム。

既にサン達は力尽き、倒れている。

デアム「全ての神よ―我が力に加わりたまえ!」


ムーン「くそ・・・・」

『諦めてはいけないよ・・・・・』

海の中にいるのは、ムーンだけ。
何処からともなく声がしたので、驚いた。

そもそも海の中では声は通らない。

ムーン「君は・・・誰だい?」

『ほら・・・君の目の前にいる。』

ムーンは目の前をはっきりと見た。
白く光った、不思議なチャオがいた。

どこかで見たことがある。

ムーン「パール・・・・」

『そう。僕はパール一族の者だよ。君にはまだ・・・仲間がいるじゃないか。』

ムーン「いや・・・僕はもう・・・」

まるで心で対話しているようだった。
そのチャオは不思議に笑いかけると、ムーンの剣を指差す。

『君の剣・・・ミレイエム。そして・・・・勇気あるものたちが闘ってる、ミッドナイト。そして―パール一族と月の一族の設立者。―ライバースが持つ、ミラフォース。君の・・・最後までの仲間だよ。』

ムーン「!!・・・・・・・・だが―身体が・・・・動かない。」

『僕の力を分けて上げるよ。救う力の源―前向きな心。君は負けちゃいけないんだ。』


デアム「なに・・どういうことだ!?神は全て俺に従う筈・・・・!!」

イレン「貴方みたいなものは・・・・神は・・・認めません・・・・貴方は・・・神ではない。」

デスベルグ「今に・・・・見てるんだな・・・・・ヘヴンたちの底力を!」

海から飛び出してきたのは、光に包まれたヘヴンと、ジェネルト。
それに続いて、ズィードたちも出てくる。
一気に技を放つと―

数多の光が、デアムを取り囲み、祭壇の中心から弾き飛ばす。
勝利・・・そう思われたとき、闇の不死鳥が甦り、燃え盛る闇で焼き尽くした。
いくら復帰したとはいえ、強大な闇の一撃には耐えられず、デアムの反撃を許した。

その時、イレンの持つ大きな剣・・・・それは、ムーンの持っていたミッドナイト。
デスベルグとの戦いで残された剣。

それが空中へ浮かび上がった。
まるで共鳴するように。

イレン「ムーンさんが・・・・還って来ます・・・・」

デアム「馬鹿な!はったりを!奴はもう既に死んで―

「勝手に殺されては、困るぞ?」

白く輝いたその姿は、ムーンではないが、シャドウチャオだった。
デアムは驚愕し、構えを取っている。

デアム「ライバース・・・・!!」

ライバース「ライバース・ザ・パーラリティ、いざ、参る!精霊神!」

イレンに向かって一本の剣を投げると、その剣もまた、祭壇の中心に浮かび上がった。
シャドーはその周囲に、十二の封印石、カオスクリスタルを設置し、倒れこんだ。

共鳴するように稲妻がほとばしり、ぐるぐると回転する。

デアム「だがもう一本は、既に死したものの手にある。勝利は俺が貰い受けたのだ!」

ライバース「忘れたか?この僕は「守護究極」の使い手。月の一族とパール一族の設立者だぞ。」

デアム「俺は神だ!所詮、設立者とは違う!」

金色のヒーローカオスの髪が、靡く。
それは、勇気というより、恐れをなしているようだ。

デアム「ダークフェニックス!!」

闇の不死鳥は白く輝く姿を取り巻き、吹き飛ばす。
ライバースは倒れこんだが、立ち上がった。

ライバース「闇―よ・・・・消え去れ!」

再び向かってきた闇の不死鳥に向けて、手を振る。
だが、不死鳥はよろめいただけで、ライバースに直撃した。

十二の封印石が光を発し、輝きが一点に集まった。
二本の剣は黄金の輝き始め、その輝きで息絶えていたものも、再びよろめいて、立ち上がった。

デアム「ふ、ふざけるなぁ!!」

闇の不死鳥は光の貫く寸前、真っ二つに斬れた。

バザァァァァァァァァンという大きな音が、水しぶきと共に出現した。
二本の剣は、三本の剣となり、光が強まる。
そして、一本の剣となる。
次第に輝きは強まり、やがて、全員が回復したようだ。

「ミラフォース・・・・ミッドナイト・・・・ミレイエム・・・そして、ミゼルバスター!!」

その名を呼んだとき、剣が上空にいる、黒い影。
太陽の陰になっているチャオのところへ飛んでいく。
そこへ向かって不死鳥を放つと、光と炎が同時に、デアムの横から吹き飛んでいく。

「待たせたな・・・・・・僕は・・・・・ムーン。ムーン・ザ・ライバースさ!」

海に落ちたものも復帰し、立ち向かう。
そして、三つの剣、ミラフォース、ミッドナイト、ミレイエムは救う力により合成し、新たな一本の、黄金に光る剣となった。
所持者は・・・・・・・・・・・ムーンだ。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第177号
ページ番号
97 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日