~最終編~第四十九話 救世主

天空の神、闇を操るデアムが、ヘヴンとジェネルトに付き、絶体絶命のピンチに陥る。
くわえて、ムーンが闇の中に囚われた。

だが、ムーンは振り上げた剣をデアムに向けた。

デアム「なにっ!?」

ムーン「フッ・・・・・僕が闇に囚われるとでも?大きな勘違いだな!」

身体は真っ黒に近いが、心までは黒くならなかったようだ。

ジェネルトとヘヴンは悔しそうに歯を食いしばる。

ジェネルト「オーバー・ブラスト・・・・フルスロットル!」

ヘヴン「アルティメット・ボルテクス!」

光と稲妻の竜巻が、先程とは比べ物にならないほどに大きくなり、ムーン達に向かっていく。
しかし、先頭に立つムーンが、一番余裕だ。

サン「無茶だぜムーン!お前だけでやろうとするならな!」

イレン「僕も手伝いますよ。勿論。」

ジース「あたぼーよ!俺がやらないわけがねぇ!」

シャドー「僕が手を貸さなければならないようだな。」

リトル「俺の力でこんな奴等、滅多打ちにしてやるぜ!」

他のものは何も言わなかったが、ムーンの近くにいるものは光に向かってそういった。
微笑するムーン。

ムーン「アルティメット・ボルテニックス!」

サン「アルティメット・ヴァリアックス!」

黄金の不死鳥が光と、竜巻を巻き返し、サンの剣に吸収されていく。
とっさに、デアムが何かを唱えた。

サン「たありゃあああ!!」

思いっきり剣を振り下ろすと、虹色の衝撃がデアムらに飛んでいく。
だが、一気にそれは打ち返され、消滅する。

デアム「本気でかかれ・・・・・ヘヴン、ジェネルト!」

ヘヴン「勿論だ・・・・アルティメット―

キンキンキンッ!と、金属音がして、ヘヴンの剣は粉々に砕け散る。
何者だ、と見たときには、もう遅く、ムーン達の方向からヘヴンは蹴り飛ばされた。

ジェネルト「貴様・・・・は・・・・」

「くくく・・・ヘヴンのやろう・・・・随分と力を失ったなぁ!」

オニキス・・・の、ドラゴンチャオだ。
闇は取り付いていない。

その姿は、見たことがなかった。

声だけは、聞いたことがあったが。

ムーン「デスベルグ!」

デスベルグ「救う力で消し飛ばされたが・・・あるチャオから「光」を貰った。俺様は、生まれ変わったぜ・・・・今は、味方だ!」

デアム「オールエンド」

闇が輝く光のように解き放たれ、半数は吹き飛ぶ。
海に落ちそうになったのは、シャドーだった。
続いてリトルがシャドーに近い。

デアム「続いて二発目の・・・オールエンド!」

解き放たれた闇が海深くに落としていく。
残っているのは、先頭に立っていたものだけだ。

ムーン「ぐ・・・・」

サン「な・・・ジャロンたちがいねぇ!?」

デアム「三発目・・・・・オールエン―

挙げた両腕は、無念にも体ごと吹き飛ばされ、放つ隙もなく地面に倒れた。

ヘヴンが、蹴り飛ばしたのだ。

ジェネルト「オーバー・ブラスト!」

ヘヴン「アルティメット・ボルテニックス!」

光と黄金の不死鳥が羽ばたき、デアムを上空へ吹き飛ばす。
そこへ、ジェネルトとヘヴンがほぼ同時に、地面に向かって蹴り落とした。

ムーン「君ら・・・・どうしたんだ?」

ヘヴン「別に、貴様らの味方に付いたわけではない。こいつの力を頂く。こいつのやり方は気に食わないからな。」

ジェネルト「同意見だ。この腐れ外道を「腐化」さしてやる!」

デアム「オールエンド」

先頭に立っていたジェネルトとヘヴンは、海の中まで吹き飛んで、落ちていく。
サンと、ムーン、イレン、ジース、デスベルグが残った。

サン「ふざけんなあ!!」

デアム「オールエンド!」

闇は、剣で防いでも、消えずに、二発目の「オールエンド」の闇に加わった。

デアム「我が闇は、裏切らない!オールエンド!」

イレン「それだけの理由のことを、貴方はしたんです!」

精霊剣・・・斬れない剣だが、闇に対しては途轍もない威力を発揮した。
闇はガラスが砕けるように消え去り、デアムは驚愕し、動かない。

ジース「すげえ・・・・そうだ!ムーン、って奴。あの鳥を放ってくれ!」

ムーン「策があるのか?―アルティメット・ボルテニックス!」

黄金の不死鳥は回転し、舞い上がる。
デアムが、闇の剣で衝撃波を放つが・・・・・

ジースが黄金の不死鳥の中に入り、呟くと、ジースの両腕に不死鳥の形をしたものが装着された。
手と同化している。

ジース「フェニックス・キャノン!」

両手の不死鳥の大砲が、炎の弾丸を吹いた。
衝撃波は炎により、跳ね返され、弾丸はデアムに直撃した。

デアム「く・・・・強大な闇、デイド・ダークネス!」

闇の剣は巨大な闇となって、デアムを包み込む。
すると、デアムは無数の闇を放ち、貫いた。
ジースの不死鳥の弾丸と、イレンの精霊剣で闇を切るが、間に合わない数だ。

サン「アルティメット・ヴログラスト!」

デスベルグ「闇は核を突けば・・・・終わりだ!」

デスベルグはデアムの両手を刺しながら叫ぶ。
ムーンはジャンプし、闇を避けながらデアムに近づくと、そこから剣を振り下ろして、両手の間近で黄金の不死鳥を放った。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第177号
ページ番号
96 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日