~最終編~第四十八話 全知全能の神

ムーンの「闇」に、もう少しで勝てるところだったイレンだったが、ムーンは逃げてしまう。
混沌の祭壇へと。

しかし、混沌の祭壇は宇宙にあるという。
ズィードが真相を知っているといい、逃げたムーンを追うべく、イレンたちを誘導する。

一方、サンらは、ガラクスたちにリベンジする為に、「蝙蝠の四十万」へと行き、蝙蝠の黄金像の場所へ向かった。

そこにガラクスの姿はあったが、既に何者かに倒されていた。

それが「M・B」団と名乗る集団の、配下。
巨大なメカで逃げようとするメカだが、サンとジースの手によって破壊する。

その後、ムーンの兄、ヘヴンと、「M・B」団首領、ジェネルトが現れ、傷ついたサン達を追い詰める。

が、ムーンが光の中から現れて、応戦する。

こうして、最終決戦が、始まった。

ジェネルト「ほお・・・・月神、か。タイミングが良すぎるぞ。」

ムーン「貴様こそ、三十の神の力を手にしたいだろうが・・・僕が許すと思うか?」

サン「ムーン・・・どうしてここに来たんだよ?」

サンはそういいながらも、笑っていた。
ムーンは睨みつけるようにして返し、真面目な口調で答えた。

ムーン「奴等が来る前に・・・・ズィードたち、そうだ。そいつらが来る前に、この話しは終わりにして貰おう。僕は―」

そういって、ヘヴンを睨みつけ、続けた。

ムーン「デスベルグ戦後、ヘヴンに幽閉され、まぁ、奴等は意識が可笑しくなったと思っていただろうが、僕は正常だった。そこで、ヘヴンの元から逃げ出した後に、ズィードたちのおかげで、記憶を取り戻した。」

ヘヴン「わぁお。そいつは驚きだねぇ。」

ムーン「話は最後まで聞くんだな。そこから、精霊神・・・・と、英雄たち。そいつらが僕の策略に引っかかって、僕が闇のものだと勘違いした、と言う訳だ。」

『成程~♪そう言う訳か・・・・・・』

あたかも今までそこにいたように、祭壇の中心に風が吹き、数匹のチャオが現れた。
ズィードと、イレン、シャドーに、リトル、ロードの面々だ。

イレンが感動したような表情をしているので、ムーンは目を丸くして驚いた。

シャドー「ムーン、僕たちは平気だぞ。心配は要らない。さて―」

ロード「ジェネルトに、ヘヴンですね。「M・B」団頭領と聞きます。」

ヘヴン「英雄に精霊神・・・・二十勇者までご登場ですかい。ま、いくら束になって掛かろうと、俺に勝てるわけないだろ!!」

剣を両手に持ち、リトルたちのほうへ向かう。
しかし、その行く手はムーンに遮られた。

ムーン「貴様の相手はこの僕だ、ヘヴン!」

ジェネルト「オーバー・ブラスト!」

光が一筋の線となって、ムーンとヘヴンに向かっていく。
それも、サンによって斬り飛ばされ、消える。

サン「てめぇは俺の相手になってもらうぜ!」

ジェネルト「フッ・・・・タッグマッチというわけだな。」

ヘヴン「元々、そのつもりはハナッからないらしいぜい。二対十だ。」

ジャロン「私たちまで入っているのか・・・」

しょうがないという顔で、ジャロンが剣を構える。
ゼキスも楽しそうに槍を構えた。

ヘヴンは後ろへ下がり、祭壇の中心から遠ざかる。

ヘヴン「―天空の神よ―刻のせまりし時―最も強総べし闇が―現れる―」

ムーン「天空の・・・・・神だと!?―伏せろ!!」

その大声で、全員驚くように身を伏せた。
途端に空から光が落ちてきて、金色のヒーローカオスが降りてきた。

ジェネルト「天空の神・・・・統一総べし最強最悪の神。デアム!!」

デアム「俺様を復活させたことに礼を言う・・・・・・月神!」

ムーン「僕・・・か。」

ムーンの表情は固いが、決心し切れていないようだ。
覚悟がないならば、こちらからいくぞ!ジェネルトはそういって、両腕に光を溜め始めた。

ヘヴン「闇、増大!」

ムーン「なっ!?」

ムーンに向けられた闇は、ムーンの中の闇を増幅させ、ムーンの身体は黒く染まる。
目は赤くなり・・・・剣は黒い。

イレン「ムーンさん!」

リトル「んなっ・・・・闇が増えてる!?」

デアム「よって、こいつは我が僕とかした。さぁムーンよ!まずはこいつらを破滅させよ!」

ジース「僕なんかにされたら、嫌だろ!」

真剣な顔でジースが言う。
誰に向かっていったのかは判らないが、一応、真剣な顔つきだ。

ムーンはにやりと笑うと、剣を振り上げ―

稲妻を、デアムに向かって放った。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第177号
ページ番号
95 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日