~最終編~最終話 引き継がれる物語

サン「還ってきたな!!ムーン!!」

サンは自信に満ち溢れた声だ。
それを聞いて、ムーンは少し驚いたが、すぐデアムをにらみつけた。

ムーン「ライバース・・・サン。不死鳥だ。奴の闇の不死鳥がどうにかなれば・・・・」

ジース「俺がやる。」

ムーン「救う力・・・だ。ライバース、サン!頼むぞ!」

封印石は輝きを放ち、ムーンとサン、そしてライバースは金色に光る。
デアムは闇を溜めに溜め、巨大な闇の球が出来ていた。

デアム「小細工な奴等目!!これで・・・・・終わりだぁぁぁぁぁ!!!」

闇の不死鳥が闇と共に舞、勢いをつけてムーン達に向かっていく。
ジースがその中に入り、キャプチャー!と叫ぶと、闇の不死鳥はジースの腕に装着された。
そこでジースは、闇の炎を放った。

闇の炎がデアムに向かっていく。
デアムは闇だが、闇を相手にするのも辛いようだ。

ムーン「十二の封印石・・・奇跡と救う力。全てを剣に納め・・・解き放つ!」

サン「あんときと同じようにだろ!!」

ライバース「守護の力、見せてやる!」

輝く剣は、更に輝き、デアムに向かっていく。
デアムの直前で、サンは飛び上がり、ムーンは剣を振り上げ、ライバースは横から斬った。

光がデアムを吹き飛ばし、闇は消えていく。
途端に、地震が起こり、混沌の祭壇は海に落ちていく。

シャドー「カオス・アベレイジ・・・!!」

大多数は、その技によって帰っていった。
しかし、まだ残っている。

ムーン「終わった・・・。」

後ろを振り返って、サンとライバースと、目を合わせる。
その後ろの、ジースとイレンとも、目を合わせたが・・・・

デアムは起き上がり、闇を放った。

ムーンは振り返った様に、海に落ちていく。

とっさに、イレンが精霊剣で、デアムを斬ると、デアムは消え去った。

ムーンと代償に、闇は消えた・・・・・・

ライバースが、「カオス・アベレイジ!」と叫ぶと、光に包まれて、消えていく。
最後の光景・・・・・混沌の祭壇の最後を目に見ながら・・・

シャドー「ムーンは・・・・・」

ライバース「奴は・・・・・・・」

サンは死んだほうがましだ、という顔をしているし、ジースは何が起こったんだ、という顔だ。
イレンは放心状態である。

だが、イレンの帽子はどこにいったか、外れていたので、みんなの注目の的となった。
ズィードがとっさに帽子を探すが、見当たらなかった。

ヒーローオヨギの髪は、一本だけだったが、おそらくズィードと同様、女なのだろう。

放心状態なのでイレンは気づきもしなかった。

ヘヴン「ムーン・・・・が・・・まさか・・・・」

ジェネルト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・くっ・・・」

『やあ皆さん。』

草原の中心に現れたのは、いつしかの、ヴァルサと、青いチャオ。
サンは、スパラだ。と呟いた。

スパラ「お待ちしてたよ・・・・。ムーンがどうかしたって?」

にやにやというので、ヴァルサが叩いた。
すると、まじめな顔になった。

ライバース「ムーンは・・・・その・・・・」

ヴァルサ「混沌の祭壇と共に、散った?」

サン「なんで知ってるんだ!?」

スパラ「理由は―」

『勝手に僕を殺してもらっては困る、といったのはライバース、君ではなかったか?』

スパラとヴァルサの後ろから、カオス・アベレイジで出てきたのは・・
紛れもない、ムーンの姿だった。

イレンは涙がかれるほど泣き出し、サンは喜びの余り草原を燃やしてしまった。
ライバースは呆れたようにため息をついたが、内心喜んでいるようだった。

ムーン「助けてくれたのは、この不死鳥だ。黄金の不死鳥。」

黄色い鳥がムーンの頭上を旋回し、さえずりした。
そうすると、鳥は、消えていった。

ムーン「なんで使っていないのにボルテニックスの不死鳥が出たのか・・・・・解決しない疑問だな。」

ライバース「それは簡単な疑問じゃないか?」

ニヤリ、と笑いながら、ライバースが呟いた。
それを聞きつけて、ムーンが睨み付けた。

ライバース「だって・・・・・・・あそこは混沌の祭壇だぞ?封印石の力が込められているんだ。そこに何らかの現象が―

ムーン「解決しないな。何らかがなんだかハッキリするまでは。」

今度はムーンは笑って、言い返した。
そして、それぞれの場所へ帰っていった・・・・

ムーンがデアムを倒してから一週間という日がたった。
丁度、太陽は真上に達している。

黒いローブを、頭から被ったチャオが、剣を背負って、家のチャイムを押した。
中から出てきたのは、大勢のチャオ。
トパーズのヒーローオヨギ変化体のチャオや、ピュアのシャドウチャオもいる。

やがて、皆が見守る中で、黒いローブのチャオが、後ろを向いて、右腕を上げた。
と思ったら、その右腕を振りながら、歩いていった。

「必ず帰ってきてくださいね!」
「待ってるぜ!今度帰ってきたら容赦しねぇからな!」
「フ・・・望むところだ。」

トパーズのチャオとガーネットのオニチャオが、手を振りながら叫んだ。
黒いローブのチャオが呟くと、その姿は地平線の彼方へ消えていく。

闇が消えた筈のこの世界で、何かが起ころうとしていた。
そして、新たな物語が、時空を超えて、この世界へやってくる。

ヒーローになることを、夢見る少年と共に―

月と太陽の物語~FIN~

このページについて
掲載号
週刊チャオ第177号
ページ番号
98 / 98
この作品について
タイトル
真・月と太陽の物語
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第147号
最終掲載
週刊チャオ第177号
連載期間
約6ヵ月30日