第二十三話 『選択』
神聖なる物語 第二十三話 『選択』
そのころのチャオリンは――?
「zzzz・・・。」
寝ている。その後ろにはシルヴァと町長がいた。
「どうするおつもりで?」
「それはガルド様。貴方にお任せします。」
どちらも油断が無い。仲は良い方ではないようだ。
「では・・・首の一つでも・・・。」
「・・・・ふわ・・・寝ちゃったか・・・。」
急にチャオリンが目を覚ました。まだ二人には気付いていない。
「ちっ!連れて行くぞ!」
銀髪がチャオリンの目の前に落ちる。
「ん・・・まさか!?」
チャオリンは後ろを振りむいた。そこにはもちろんシルヴァがいた。
数秒後、チャオリンの悲鳴を残して三人は消えていた。
某時刻――某場所
「どうするのだ?私は殺せと言った筈だ。」
暗闇の中から低い声が聞こえる。姿はおろか、気配すらない。
「殺すよりは人質にした方がよいとガルド様が御提案されたので・・。」
「成る程。で、その人質はどこへ?」
「蜘蛛の間です・・・。」
「蝦蟇の間へ移しておけ。」
「御意。」
そのころチャオリンは、麻酔によって眠っていた。
そして、シルヴァが入ってきた。
「起きろ、小娘。」
「ん・・・なによ。」
「着いて来い。」
チャオリンはそんな所行くかとハッキリ顔に写っていた。
「嫌だと言ったら?」
「それは無理な選択だ。」
「論理的思考から考える方法その一.貴様は俺には勝てない。つまり今この時点で殺すことも可能だ。」
シルヴァが一呼吸おいてから言う。
「論理的思考から考える方法その二、百歩譲って貴様が勝てたとしよう。しかし、それからどうする?此処からは出れない。つまり餓死する。」
「論理的思考から考える方法その三、おとなしく着いて来る。これはもっとも安全な方法だ。まず死なない。」
「貴様はどれを選ぶのだ?」
「私は・・・・。」
続く