第二十四話 『腐れ縁の出来るまで・前編』
神聖なる物語 第二十四話 『腐れ縁の出来るまで・前編』
「私は――。」
「私は・・・・!!」
「ほーんっと。バカねぇ。レッドメア。」
「うるせえやい!!」
此処は幼稚園。いつものように遊んでいた。
今日はジュエチャとエルは風邪で休み。二人だけで遊んでいた。
レッドメアはチャオリンのしかけた罠に見事に引っかかり、それでバカにされていたのだ。
チャオリン達はいわゆる、腐れ縁という仲だった。
どうにも離れられない。いつも一緒に居た。
しかし、今日は違う。
何かが違うのだ。そう、『何か』が・・・・・・。
『先生たちは至急職員室にお集まりください』
幼稚園中が騒がしい足音でいっぱいになる。
『どうしたんです!?』
同じような質問が飛び交う中。園長はこう言った。
『今日未明、四人の園児の親が殺害されました。』
職員室にどよめきが起こる。殺害されたのはこの幼稚園児の親。
そう、あの四人だった。
記憶はまた現在に戻る――。
「私は・・・・。」
「此処で貴方を倒す!!」
チャオリンの技、スカイアタック。
上空高く飛び上がったチャオリンが急降下した。シルヴァはその足首を掴んだ。
が、チャオリンは身体をねじり、シルヴァの肩に拳を当てた。その瞬間シルヴァの肉体は徐々に石と化し、崩れていった。
『地裂拳』、使用した者の体力を急速に減少させるこの技。激しい息切れとともにチャオリンは床に激突した。不意に、後ろで音がした。
「変わり身・・・?」
チャオリンが振り向くまでも無く、シルヴァはチャオリンを掴み、首を掴んだ。一瞬だった。
「死ね。」
「待て!」
シルヴァが手に力を入れようとした矢先、誰かがドアを蹴飛ばして入ってきた。
ジュエチャ達では無い。他の誰か・・・ジュエチャ達に『技』を教えた老人だった。
「まさか貴方が来るとはね・・・・。」
シルヴァはもの凄い形相で睨みつける。手がチャオリンの首から手が離れ、その体が落ちる。
「今ここで、お前を・・・倒す!!」
「やれるものなら・・・。」
両者の間で地面が割れる。どちらも気候の使い手だからだろうか。
「・・・・来い!!」
続く