第二十話 『救出』

「さて、どうやってレッドメアを助けるか・・・。」
レッドメアは完全に氷の塊と化していた。
「この刀・・・使ってみない?」

エルが手にしたのは、アルルが使っていた妖刀――『ZERO』
その刀は赤いオーラを放っており、何故か鞘から抜けなかった。

しかし、エルが持つと鞘から刀が勝手に飛び出した。
「お前専用らしいな。」
「レッドメア・・・・・。」
「エル、その氷・・・連続で突いてくれ。くれぐれもレッドメアにも当てないように・・・。」

「分かった・・・。」


エルはレッドメアの回りを剣で削った。
大体削れたが、それでもまだだめだった。

数秒後、エルは刀を逆刃にし、氷を叩いた。

そして、それは割れた。
氷が割れたのは、刀の威力だけでは無い。エルの豪腕、そして絶妙な力のバランス。
全てが合ってそれは成功するものだった。

「・・・・っ。」

「レッドメア!」

「おお痛え・・・。もうちょっと優しく出来ないのか・・・?」
「もうちょっと氷の中で反省する?」
エルはアルルが使ったヒューザーの構えを取った。
「わぁったよ!」
「しかし・・・・。」





「きゃあっ!!何すんのよ!?」
それはチャオリンの声だった。
「しまった!」
「ちっ・・・・。」
「チャオリン!」

三人はチャオリンが待機している場所へ走った。

そこにはチャオリンの姿など、無かった。
「くそっ!」
地面には、必死にチャオリンが抵抗した跡があった。
「どうする?」
レッドメアが言う。
「決まってるでしょ。」
「シルヴァを探すぞ。」


「え?」
二人が疑問に思う。
「シルヴァを探すぞと言っている・・・・。」
「ジュエチャ、お前!」
「そんな事は分かっている、チャオリンもどうにかしてくれるだろう・・・・。」
「うん・・・・。」

エルは納得したようだが、レッドメアは違った。
「俺はチャオリンを助けることを優先するな。第一シルヴァもどこにいるか分からないだろう?」
「チャオリンも何処にいるのか分からない。どちらにしろシルヴァが関係してくるだろう。」

「俺はチャオリンを探す!!」


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第99号
ページ番号
21 / 24
この作品について
タイトル
神聖なる物語
作者
めんちかぶ~ら(めんちか)
初回掲載
週刊チャオ第69号
最終掲載
週刊チャオ第103号
連載期間
約7ヵ月27日