「9章」 116話 『世界政府とは』

真実の冒険 「9章」 116話 『世界政府とは』 

-----飛空挺内部_エントランス-----

場面は戻り、
ガイア達はセヴンの飛空挺にてDN帝国への突入準備の話し合いをしている。
DN帝国への総攻撃決行の背景には世界政府が絡んでいることを知った。


「俺はこの世界に来て初めて『世界政府』という機関が存在したことを知ったよ。世界政府の事は知っているのか??」


ガイアはジンの方向を見た。


「なぜ我を見る。」
「いや、ジンは世界情勢に詳しく精通してそうだから。。」
「そうか。。。世界政府へ関わることは皆無なので期待できる情報には答えられんがな。」
「関わることが皆無というのは??」
「世界政府はこの世界の治安統治をしている存在じゃ。基本的には政治に介入できるチャオのみ
 が世界政府機関と関わりを持つことができる。そうじゃろセヴン??」
 
 
ジンは操縦席にいるセヴンに話を振る。
セヴンはカタストロフと呼ばれる国の王だ。
ジンは国の王であれば世界政府とつながりがあるだろうと考えた。


「ジンの言う通りだ。僕は何度か世界政府が本拠地として定められている国へ行ったことがあるよ。」


セヴンは続けて話をした。


「世界政府が本拠地を置いている国『レジェンディア』には国王または世界政府が定めたチャオのみが
 入国することを許可されているんだ。
 世界政府は年に1度、各国の王へ召集命令をだす。
 召集する目的は【話会い】という名の自国財政、治安状況について確認をするためだ。
 そしてここから先の話となるが機密文書の15ページに目を通してほしい。
 俺も機密文書を見るまでは知らなかったよ。どうやら世界政府の幹部と
 DN帝国の総裁だけしか知らない情報らしい」


一同は機密文書の15ページに目を通す。
そこにはDN帝国が世界政府から町や国の統治依頼を受けていた内容が記載されていた。
どうやら世界政府は話会いの場で出た財政難や治安が悪い国には
莫大な資金をDN帝国へ献上し兵士を派遣させ治安や財政難を修繕させていたようだ。


オキスとレッドが呟いた。


「なるほど、、、だから今までの戦いでDN帝国が他の町や国にいたのか!」
「まさかDN帝国が世界政府から仕事を受けていたとは、、、そして国を統治し
 表向きでは国を守っているという口実を作ってきたわけだ。」
「でもそれが今では世界政府へ機密文書が知れ渡りDN帝国は悪事をばらされたと!」
「世界政府を味方につけたなら今が突撃をして壊滅させるチャンスかもな」


オキスとレッドは笑いながら話をしていたが
ガイアは不穏な表情を浮かべていた。


「いや、危険だろこの作戦」


一同はガイアを見る。


「世界政府の幹部はDN帝国へ仕事の依頼をして国を統治させてきた。
 つまり太いパイプでDN帝国と繋がれているんだ。
 DN帝国の悪事についても既に裏では了承済みの可能性もある。
 そして本作戦は世界政府の許可を得たものではあるが懸念がある。
 世界政府とDN帝国が裏で合意していない確証はあるのか??
 我々が罠にはまっている可能性は否定できるか??」
 

ガイアの言っていることはごもっともである。
もしこの作戦を決行しDN帝国と世界政府が裏で繋がっており構えていたら一貫の終わりだ。
一同は少し黙っていたが操縦席からセヴンが口を開く。


「罠の可能性は考えたつもりだ。しかしこの機密文書の報告により世界政府はDN帝国の信頼を破綻させたはずなんだ。」
「機密文書が正しいか??そもそも『スパイ』からもらった機密文書なんて信用できない。」
「ガイアには言ってなかったが『スパイ』の信用性については他のチャオ全員に話をしている。
 あとでガイアにも話すよ」


セヴンは再び舵をとり前を向いた。
ただ、セヴンの意見に賛同できない者もいる。


「確かにガイアさんの言うとおり機密文書の正当性は分からないです。この作戦を実施するには証拠が足りなすぎます。」
「我もじゃ。我はDN帝国もだが世界政府も好かん。
 莫大な財力をDN帝国に渡し、全て命令と報告を受けただけで
 国を統治していると勘違いしている機関であろう。信用できない。」


プラムとジンはエントランスを離れ、飛空挺の外ラウンジへと行ってしまった。


「確かに師匠の気持ちも少しはわかるけどな。なんか世界政府にとって好都合だもんな」


ヴィラも一言つぶやくとプラムとジンを追うように外ラウンジへ行ってしまった。
エントランスにはガイア、オキス、レッド、レイズが残っている。
このままでは指揮をとれないと感じたガイアはセヴンがいる操縦席へ向かった。


「セヴン、話がある」
「『スパイ』のことかい??」
「そうだ。『スパイ』と話をすることは可能か??俺が本作戦の信頼性について確認したい。」
「分かった。おそらく『スパイ』はDN帝国本部にいるはずだから取り合ってみよう」


セヴンはスパイの連絡先へ操縦席についている無線を使用し連絡をした。
するとスパイから返答があった。
さっそくガイアが応答する。


「こちらガイア。久しぶりだな」


117話へ続く

このページについて
掲載日
2016年5月3日
ページ番号
299 / 310
この作品について
タイトル
真実の冒険
作者
土星(サターン)
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
2021年6月29日
連載期間
約17年3ヵ月12日