『史上最大の鬼ごっこ』、いよいよ後編!
後編
ズドーーン!!!
その時、部屋に轟音が響いた。
【一同】「な、何だ!?」
しかし、ケースを見ていたホップスターは、すぐにそのカラクリに気が付いた。
【ホップスター】「・・・やられた!」
【ラフィン】「何だって!!??」
【ホップスター】「入っていた『スパイラル・リング』は偽者だ!
ただの時限爆弾だ!」
【チャールズ】「摩り替えられたってか!?」
【ホップスター】「・・・だな。恐らく、予告状を財団に送る時、またはそれ以前に変えたのだろう。」
【チャース】「!! 外!」
ババババババ・・・・
【エルファ】「ヘリコプター!?」
一同、慌てて外を見る。
【ホップスター】「ル、ルーティア嬢専用ヘリコプター!!??」
【チャガット】「という事は・・・?」
【ホップスター】「これも鬼ごっこの内、ってぇ訳か・・・」
と、その時、一枚の紙が落ちてきた。
「『スパイラル・リング』は貰ったよ。
もっとも、今回はちょっと早く拝借させて頂いたけどね。
協力してくれたルーティア嬢には感謝するよ。では!
チャイヒコ 」
【ラフィン】「ちくしょ~!」
【ホップスター】「急いでヘリを追え!方角はどっちだ!?」
【ムーンナイト】「北西だ!」
と、その時、彼女のヘリのマイクから・・・
【タキオン】「父さんは強いんだ~♪父さんは凄いんだ~♪」
既に部屋にはホップスターとエルファとアムセレのみ。
【アムセレ】「・・・我等の負けですね、今回は。」
部屋にはただ空しく、タキオンの声が響いていた。
その頃、捜索隊はというと、ルーティア嬢北西に逃亡との一報を受けたものの、すぐには動かなかった。
【ロルフィーヌ】「ルーティア嬢のことだ、すぐに方向を変えて別の方向に逃げるに違いない。」
【紀流院】「そうなのか?」
【ロルフィーヌ】「考えてもみろ。北西にはただ海が広がるだけで逃げ場も何もない。
となると、ビルから見えなくなったら急旋回して別の方向に逃げたと考えるのが妥当だろ?」
【紀流院】「なるほど・・・って、上!」
【ロルフィーヌ】「どうした!?」
見ると、1機のヘリコプターが横切って行く。
【紀流院】「あれは・・・ルーティアちゃんのヘリ!!
方角は・・・東に一直線です!!」
【ロルフィーヌ】「急げ!先回りだ!」
【ホップスター】「何、やはり方向を変えて東だと。すぐに追跡だ!」
正午。
捜索隊は先回りに成功し、ピラミッドに到着した。
【紀流院】「でも、本当にルーティア嬢のヘリがここまで来るのか?また途中で曲がるような気が・・・」
【ロルフィーヌ】「プリズンアイランドは既にGUNが一帯を抑えている。南は海。かといって北に逃げても毘襲研究所がある。
となると、ここしかないだろう。」
と、その時。
【エディン】「あ、あれ!」
【サイオン】「さっきのヘリだ!」
見ると、ルーティア嬢のヘリが一直線にピラミッドに向かってくる!
【チャフィン】「撃ち落してやる!」
と、銃を構えるが、
【勇者】「待て、あん中には・・・!!」
【シルバー】「時価数億リング相当の『スパイラル・リング』が・・・!」
【ロルフィーヌ】「今はどこに着陸するか見ておこう。それを追跡だ。」
やがてヘリはゆっくりとスピードを落とし、ピラミッドの入口とは正反対の裏口に着陸した。