第4話:目指せミスティックルイーン

【前回までのあらすじ】
チャオの森を目指して街を出発したサイオンにいきなり災難が。
上空からヒーローチャオが落下してきたのだ。
翌朝、そのチャオから事情を聞こうとするサイオンだったが、
関係のない冒険談を延々と聴かされる羽目に……。

・・・・・・・・・・
ヒーローチャオが話し始めて1時間後、やっと目的の話が出てきた。


「『おばけカボチャ』と、『ラッピーのにく』を てにいれたあと、
 さいごのしょくざい、モノメイトをさがして ウチュウにいったチャオ。
 それで、ウチュウジンさんに モノメイトもらって かえってくるとちゅう、
 バランスをくずして おちちゃったチャオ。」

「成程、そう言うわけだったのか。……よし、これも何かの縁だ。
 そのテイルスとか言う奴の所に連れて行ってやるよ。場所は何処だ?」

「ミスティックルイーン チャオ。…………でも、どこにあるか わからないチャオ。」


落下してこんな所に来るとは予測してなかったらしい。
サイオンは仕方なく近くにある町で訊くことにした。

ともあれ、2匹は朝食を取ることにした。
2匹はサイオンの持っていた食料の一部を朝食として食べた。
二人ともお腹が空いていたのでそれを一気に平らげてしまった。


「そう言えば、名前を言ってなかったな。俺の名はサイオン。お前は?」

「なまえ? ぼく、ポポ!」

「ポポか。可愛い名前だな。……日も昇った。そろそろ行くか。」


ポカポカ陽気の中、2匹は歩き出した。
近くに小さな住宅街があり、サイオン達はそこに立ち寄った。
そして、交番の人にミスティックルイーンの場所を訊きに行った。


「どうしたんだい? 飼い主とはぐれちゃったのかな?」


交番にいた警察官はサイオンを抱き上げて言った。
正直、抱かれるのが嫌いなサイオンはちょっと不機嫌な様子で訊いた。


「あ、いや……ミスティックルーインへの行き方を教えてください。」

「ミスティックルイーンなら、この町の東にある街から電車で行けるけど。
 チャオだけで行くのかい? 危険じゃないか?」

「大丈夫です。ありがとうございました。」


サイオンは警察官の手を振りほどき、ポポを連れて歩き出した。

ミスティックルーインに向かう途中、色々な出来事があった。
サイオンのいた街でも噂になっていた「クレイヂータクシー」に乗せられかけたり、
ポポが「つかれたチャオ~!もうあるけないチャオ~」とグズったり……。

それでも何とか天候が崩れず、3日後には警察官が言っていた街に辿り着いた。


「…………………………。」


サイオンは街並みをじっと眺めている。


「どうしたチャオ? きぶん わるいチャオか?」

「いや、何でもない。……ミスティックルイーンはこの街から電車で行ける。
 今日はこの辺で休んで、明日の朝、ミスティックルイーンに向かおう。」

<第5話に続く>

【後記】
またもやDCネタ現る(爆)「噂のクレイヂータクシー」。
おさんぽアドベンチャー2のサブシナリオ「カーレース」で登場します。
そういえばサイオンの様子がおかしいようですが、その理由は今後判明することでしょう。

【登場チャオの紹介】
名前:ポポ(Popo)
年齢:4歳
種類:HN(成体になったばかり)
備考:成体になったばかりでまだ幼さが残る。
   因みに名前は「赤ん坊」というアイヌ語。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第34号
ページ番号
4 / 18
この作品について
タイトル
Shangli-La ~楽園を目指して~
作者
NORIMARO
初回掲載
週刊チャオ第31号
最終掲載
週刊チャオ第47号
連載期間
約3ヵ月23日