第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 百四話
~レイシアの家~
レイシアはシャドウ達が来るのが分かっていたのか、飲み物を人数分準備していた。
レイシア「・・・いい形で戦争が終わって良かったよ。」
レイシアは、シャドウ達がヘルズ王を打ち破ったことを知っているようだ。
レイシアは部屋の端の方に置いてあった椅子を人数分出して、座るように言う。
またテーブルを囲むように置いたので、会議のような形となった。
そして、シャドウ達は椅子に腰掛けて、レイシアの方を見る。
レイシア「前のヘルズ王に聞いたよ。カオス・ピースや混沌の神について知りたいんだって?」
相変わらず、全てを見透かしたようなレイシアの口調は、何か不思議な雰囲気を持っていた。
そして、レイシアは先程の飲み物を一口飲む。
それが美味しそうに見えたのか、マッスルも一口含む。
シャドウ「あぁ。知っていることで良いから教えてくれないか?」
レイシアはコップをテーブルに置き、一息ついて言う。
レイシア「正直なところ、僕にも詳しいことは分からないんだ。」
そして、レイシアはまた飲み物を一口飲む。
それと同時に、マッスルは先程口に含んだものをコップに噴き出す。
エイリア「汚ねぇよバカ。」
マッスル「いや!今の流れはおかしいだろ!?」
エイリア「汚ねぇよな?」
マッスル「はい。すみません。」
何故か、エイリアに対してはヘタレ度合いが凄まじいマッスル。
ヘルズに来てからはエイリアが少し冷たいかも知れない。
シャドウ「そうか・・・。ならば、しょうがないな。」
シャドウも一口飲み物を飲む。
レイシア「でも、あのダークブラックカオスはどうやらカオス・ピースのせいであんなんになっちゃってるらしいよ。」
シャドウはコップを置いて答える。
シャドウ「本当か?」
レイシア「だって、彼に最初に殺された霊が黒いモヤモヤを見たって言ってたし。間違いないと思うよ。」
どうやら、あのダークブラックカオスもカオス・ピースの被害者のようだ。
シャドウ「そうか・・・。それと、混沌の神については何か分からないか?」
混沌の神。
全ての親玉とも言える者だ。
混沌の神について知れれば、大きな進歩になるだろう。
レイシア「うーん・・・。本人についてはあんまり分からないけど、神は三人いるらしいよ。」
やはり、レイシアでも混沌の神のことは分からないらしい。
なのでシャドウは、その他の二人についてを聞くことにした。
シャドウ「三人と言うのはどういうことだ。」
レイシア「えっと、まず創造の神、時の神、そして混沌の神。それで世界は成り立ってる、みたいな話しか知らないなぁ・・・。」
その言葉を聞いたゼアス兵隊長とオリが反応する。
オリ「その話、何処かで聞いたことがあると思ったら、ゼアスにいた頃に本で読んだな。」
ゼアス兵隊長「あぁ、俺もだ。創造の神の名前は地方によって色々呼ばれていて、時の神は『スーマ』という名前だったな。」
その言葉のあと、空気が凍りついた。
続く...