第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 九十六話
~崩壊後 ヘルズ城~
オリ「俺はセイで生まれたが、すぐに捨てられた。
だが、俺は生まれつきに強い力を持っていたのだ。
一人で生きていくのに必要なことは、ほとんど出来た。
そしてある日、ヘルズ王と名乗る者にセイで出会った。
その者は、俺の力が欲しいと言った。
何もなく朽ちる人生よりは、幾分かはマシだと思った俺はヘルズ王についていった。
そして、俺はヘルズ王の指示でゼアスでゼアス射撃隊としてヘルズ王と共に行動をした。
そこで俺は、戦うことで俺の力が活かされていることに生き甲斐を感じた。
俺の魔法や銃の力を見い出してくれたヘルズ王には感謝している。
ゼアスで射撃隊として生きるのも良いとも思ったが、
ヘルズ王への恩返しがあるからな・・・。
そして、そのまま行けばヘルズでミサイルも完成し、
ヘルズ王の望みが叶うはずだった・・・・・・。
だが、ミサイルが既に作成段階に入っていた時期に、お前らがゼアスへとやってきた。
そこでヘルズ王と俺は話し合って、俺はお前らと共にヘルズ城に行くことにしたのだ。
隙さえあればお前らを殺すつもりだったが、さすがにこれだけの相手を俺一人で倒すのは無理だと思い、
ヘルズ城でヘルズ王と合流してから殺すことにした。」
ヘルズ王「セイで大きな力を感じると思い、セイでオリを見つけた時は衝撃だった。
ただの子供がこんな力を持っているのかとな。
ゼアスで射撃隊をやらせれば、さらに伸びるその実力は素晴らしかった。
そして、オリは私の"ジョーカー"になった。
だが、そのジョーカーでさえもがお前らは危険と言っているのだ。
ここで仕留めておかないわけにはいかない・・・。」
二人は今までのことを淡々と話す。
シャドウ達はそれを黙って聞いていた。
そして、シャドウは一つの疑問をぶつける。
シャドウ「・・・ということは、やはりオリの父の話は作り話だったのか?」
それに対しては、ヘルズ王が答えた。
ヘルズ王「あぁ、その通りだ。
ゼアスの者もその作り話を信じてオリを兵士に迎えた。
さらに現実味を持たせるために、私の分身にオリの父のフリもさせたのだ。
フィムを三人衆から引きずり落として、だったが。
ゼアスのヤツらやお前らがヘルズの国民から話を聞いても、オリに父親がいるように聞こえるようにな。」
ここまで手が込んでいるということは、
ヘルズ王にとってオリはよほど信頼できる者なのだろう。
そして、この二人にゼアスもヘルズも操られていたのだ。
シャドウ「そうか・・・。やはり、貴様らは危険のようだ。」
シャドウは槍を構えた。
それを見たヘルズ王とオリも、シャドウに対して戦闘態勢を取る。
オリ「お前らと過ごした時間も、なかなか楽しませてもらった。
だが、これでそれも最後だ。王の望みのために死んでくれ。」
マッスル「お前は良いヤツだと思ったのにな。」
マッスルも戦闘態勢を取るが、シャドウに制止される。
シャドウ「マッスル、お前はラルドのことを頼む。この二人は僕にまかせてくれないか。」
もちろんマッスルはシャドウを信頼しているので、
すんなりとその言葉を受け入れラルドのもとへ行った。
シャドウ「さて、全てを終わりにしよう。」
続く