第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 九十一話
~崩壊後 ヘルズ城~
シャドウの言葉にヘルズ王は驚く。
何故シャドウが知るというのか。
それは、ヘルズ王にはシャドウのハッタリのようにしか思えなかった。
ヘルズ王「・・・・・言ってみろ。」
ヘルズ王が戦闘の構えを解く。
それを見たシャドウ達も構えを解いた。
そして、シャドウは話しはじめた。
この戦争の全てを。
シャドウ「まずは"ヘルズ城暗黒事件"のことだ。
貴様は透明化してこのヘルズ城にやってきた。
そして、王の間へと行き、王を殺した。
ブレドとガンダもそこにはいたが、ブレドに一発ダメージを与えると、
ブレドは王の間をガンダに任せて出て行き、城の中の兵士に状況を伝えに行った。
だが、ガンダを洗脳するのは早く、ブレドには食堂辺りで追いついた。
その場にいた兵士も含め、ブレドを洗脳しヘルズ城は全て貴様のものとなった。
あとは透明化した状態で前の王の霊と言っておけばフィムもついてきて終わりだ。」
ラルド「なるほど・・・・・。それなら映像が全て繋がる。」
シャドウ「しかし、その暗黒事件当日以外は透明化した分身がヘルズ王を演じていたのだろう。
何故なら貴様自身は、やらなくてはならないことがあったからだ。」
ヘルズ王の顔はオーラでよく見えないが、恐らくは顔をしかめているだろう。
赤くギラつく目に動揺の色が見え始めている。
このことから、シャドウが言っていることは合っているのだろう。
ヘルズ王「・・・言ってみろ。」
シャドウ「・・・・・貴様は慎重なヤツなのだろう。分身でも充分に自分と同じことができるのに、自分自身がより大事な方へ出向くとは。
ゼアス兵隊長に成り済まし、ゼアスのミサイルの設計を調べるという、な。」
仲間達は驚いた。
なんと、あのゼアス兵隊長はヘルズ王だったと言うのだ。
確かにミサイルの設計を調べるため、という目的は納得がいく。
だが、それだけでゼアス兵隊長がヘルズ王だったと言い切れるかというとそうでもない。
そんな顔をした仲間達にシャドウは言う。
シャドウ「・・・城が崩れて間もない時に映像が見えた。
王の間の映像だった。そこには洗脳し終えて不気味に笑うゼアス兵隊長がいたんだ・・・・・。」
仲間達はヘルズ王の方を見る。
ヘルズ王は不気味に笑っている。
ヘルズ王「クク、お前の言う通りだ。」
続く