第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 八十九話

~崩壊後 ヘルズ城~

シャドウ達は、禍々しい姿をした王を見る。
王からは元の形が分からない程に黒いオーラが溢れ出ていて、
ただただ赤い眼光をギラつかせている。
先程とは比べ物にならないくらいの威圧感、そして何もしていなくても伝わってくるその力。

ヘルズ王「・・・私の力を感じているだろう?貴様らでは届かないこの力を。」

ヘルズ王の言葉と同時に威圧感とオーラが増す。
周囲のガレキにもヒビが入るなどの影響が見られ、
ヘルズ王の力がどれほど凄いものかを実感させる。

だが、仲間達はその程度では驚かない。
もちろん、そのヘルズ王の力を感じてはいるが、
過去に幾多の強敵と戦ってきたシャドウ達はこの程度で驚いてはいられない。
シャドウ達は戦闘態勢に入り、ヘルズ王に戦意をぶつける。

それが気に食わなかったのかヘルズ王は、手から黒い閃光をシャドウ達に連発する。
それでもシャドウ達の反射神経とその読みは凄まじく、全てを華麗に避ける。
そして、避けながらも接近に成功したマッスルは気を凝縮した球、気烈破滅弾を至近距離でヘルズ王にぶつける。
だが、ヘルズ王から溢れるオーラが気烈破滅弾を飲み込み、完全に防がれてしまった。
マッスルは反撃を食らう前に距離をとり、一息ついた。

マッスル「・・・チクショーめ。俺の必殺技なのにな。」

マッスルは悔しがるが、
悔しがっている場合ではないことを分かっているのでさらに距離をとる。
気烈破滅弾が飲み込まれた様子を見ていたシャドウ達は遠距離技は飲み込まれると判断し、
マッスル以外の仲間達は横に並んで突っ込んでいく。
ヘルズ王は接近してきたシャドウ達に対し、電気の球を三つ作り出した。
電気の球は比較的スピードが遅い。
だが、シャドウ達が横に避けて進もうとした瞬間、三つの電気の球はつながり、一つの線となった。
外側を走っていたラルドとオリは電気の線をかろうじて避けるが、
真ん中を走っていたシャドウは電気の線にぶつかってしまった。

マッスル「シャドウッ!」

だが、マッスルの心配などよそにシャドウは電気を帯びながらヘルズ王に接近する。
ヘルズ王は予想していない展開に驚くが、
その頃にはシャドウの電気を帯びた掌打を受けていた。
ヘルズ王は掌打を受け止めるが、10m程度飛ばされた。

シャドウ「・・・・・その程度の技では痛くも痒くもない。」

ヘルズ王は起き上がり、シャドウを睨みつける。
シャドウもそれに負けない眼力をヘルズ王にぶつける。

ヘルズ王「・・・そうか。ならば、私の本領を見せるとしよう。」

そういうと、ヘルズ王は何か詠唱を始めた。
シャドウ達はその隙を狙い、ヘルズ王へと襲い掛かった。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第328号
ページ番号
172 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日