第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 八十二話

~王の間~

ブレドは目の前の強敵達に表情を変えずに剣を構える。
それに対してシャドウ達も戦闘態勢を見せる。
そのままこう着状態がしばらく続いたが、
乾いた銃声と共に戦闘の火蓋が切られた。

ラインの放った銃弾はブレドの剣によって弾かれたが、
剣を振り終えた後の隙を狙い、シャドウがすかさず懐まで入る。
そこでシャドウはボディーブローをしようとした。
が、シャドウは突然バックステップをしてブレドから離れた。
それを見ていた仲間達は、何が起こったか分からずシャドウの方を見る。

シャドウ「さすがだな・・・・・。剣とは別の見えない剣閃を操れる恐ろしい力・・・・・。」

シャドウをよく見ると、頬に何かが掠めたような傷があった。
仲間達をそれを見て、その恐ろしい力に恐怖を覚えた。
何せあのシャドウに傷を負わせ『恐ろしい』とまで言わせた力だ。
だが、その『恐ろしい』と言った当の本人は、実際恐怖を感じている様子もなく、戦闘態勢を崩さない。
仲間達もそのシャドウの姿を見て、我に返った。

ブレド「これを避けられたのは初めてだ。」

シャドウ「そうか。それではコチラの攻撃も避けて見せろ。」

そういうと、シャドウはカオスレイを放った。
そのスピードは以前とは比べ物にならないくらい速く、
シャドウの頬の傷と同じところ、頬を掠めた。
ブレドは少し驚いたような表情をし、シャドウを見る。

シャドウ「次は当てるが、良いか?」

ブレド「・・・・・・やってみろ。」

仲間達もそのカオスレイのスピードに驚きを見せていたが、
それを見て尚、強気の言葉を発するブレドにも驚いた。
そして、シャドウはブレドの頭を狙ってカオスレイを放つ。
だが、次の瞬間倒れていたのはシャドウだった。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第320号
ページ番号
165 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日