第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 八十一話
~王の間~
相手が攻めにまわって来たことで、
形勢は少しずつ相手の方へ傾き始めた。
しかし、シャドウ達も既に戦闘のエキスパートといえるほどの実力、そして経験を積んできている。
シャドウの冷静な判断により、敵を分けて戦うことにした。
そして、一番最初に動いたのはシャドウだった。
持ち前のスピードを活かし、ガンダの懐まで入り仲間達の方へ放り投げる。
ガンダは無抵抗に投げられ、床に体を強く打ち付けられる。
すかさずマッスルが蹴り上げ、浮いたガンダに向かって仲間達は魔法や銃で追い討ちをかける。
・・・だが、魔法や銃弾は全て跳ね返され、放ったものがそのまま自分に返って来る。
その瞬間、オーラ・バリアが仲間達を包み、跳ね返ってきたものから仲間達を守った。
その戦いを見ていたシャドウが、咄嗟に出したものだった。
ブレド「お前の相手は私だ。早くやるぞ。」
そして、またシャドウの意識は近くにいるブレドに戻される。
シャドウ「待て。お前と戦うのは僕だけではない。」
仲間達はそれを理解しているのか、
ガンダのところに数人残して、
素早くシャドウ達のところへ来た。
ガンダのところに残っているのは、マッスルとラルドとナイリア。
それ以外の者はシャドウのところへ。
つまり、ガンダが跳ね返せない格闘技中心のものがガンダのところへ残っているのだ。
そして、また戦いが始まった。
まずは牽制でエイリアが弱い火の玉をブレドにぶつけようとする。
だが、その火の玉は何故かガンダに放った時と同様に跳ね返されてしまう。
しかし弱い火の玉なので、すぐに同じ火の玉で相殺することが出来た。
それよりも問題なのは、ブレドも跳ね返すことが出来たことだ。
と、仲間達は思っていたが、やはり頭が冴えるのはシャドウだ。
シャドウ「ブレドが跳ね返す能力を持っているんじゃない。この戦いの一番最初にオリの銃弾が跳ね返されただろう?それはガンダが何かをしたからだ。」
そして、仲間達はガンダの方を見る。
確かにガンダ側の戦闘はまだ始まっていない筈なのに、
ガンダからは何か強い気配を感じる。
シャドウ「だから、マッスル、ラルド、ナイリア。ガンダがこっちに気を向けられないぐらい間髪入れずに攻撃をしてくれ。」
マッスル達は嬉しそうに頷き、
凄まじいスピードでガンダに攻撃を始めた。
そして、それを見たシャドウは不敵な笑みを浮かべブレドを見る。
シャドウ「さて、こっちも戦闘開始だ。」
続く