第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 七十八話

~王の間~

突如襲ってきた光に、何も出来ず倒れるフィム。
その限りなく短い時間に、仲間達は思考が追いつかずに唖然とするだけだった。
思考が追いついた頃、シャドウがフィムの傍に駆けより名前を呼ぶ。
フィムはただ薄れゆく意識の中、思う。

―何が起こったのですか?
私は・・・何故倒れている?何故苦しい?何故こんな事になっている?
・・・・・・"何故"なんて白々しいですね・・・。
本当は、分かっています・・・。認めたくないだけで・・・。
王が変わってから、いつかこんな日が来るのではないかと思っていた。
それでも私は好きだった"王"を好きでいたかった。
変わったとはいえ、王は王だ。と今まで思ってきた。
そして、王のためなら、王の意思で死ぬのも良いと思っていた。
でも、変わる前の王だったらこんなことはなかった、と思っている自分もいる。
だからここで私は認めよう。
昔の王はもういない、今の王は別物だ、と。
なのに・・・・・・体よりずっと心が痛む。
"王"に殺されたのかと思うと・・・。
やっぱり私は"王"を信じたい。だから―。

フィム「・・・昔の王を・・・・・・取り返してください・・・・・・。」

私の意志を、敵だった者達に託す。
今の王と昔の王を秤にかけ、昔の王をとった私。
どちらの王にも恨まれはしないでしょう・・・。


そして、静かに灰色の繭に包まれる。

オリ「・・・お前の意志は受け継いだ。」

フィムと同じ、兵士という立場のオリは、
フィムの心を一番読み取れたのかも知れない。
二つの銃を抜いて、オリは言う。

オリ「姿を現せ。」

シャドウ達も武器を取って、"敵"がいる方へと視線を向ける。
そして、それに応えるかのように部屋の薄暗さは少しずつ晴れていった。
だが、そこにいる者に驚愕することになる・・・。


続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第316号
ページ番号
161 / 231
この作品について
タイトル
シャドウの冒険3
作者
ダーク
初回掲載
週刊チャオ第158号
最終掲載
2012年9月6日
連載期間
約7年5ヵ月14日