第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 六十四話
~ヘルズ城地下1階~
ナイツに吐き出させた鍵で部屋から出たシャドウ達。
そこにはまたフィムと思われる水溜りが待ち構えていた。
だが今度はシャドウ達が出てきたと分かるとすぐにチャオの形に変形した。
フィム「まさか、こんなに早く破られるとは思いませんでしたよ。」
フィムの笑いには少し余裕がなくなっている。
少しずつ焦ってきているようだ。
それを見たシャドウは強気で言い返した。
シャドウ「あの程度で僕達を打ち崩そうと思っていたのか?まさか今のでネタ切れか?」
フィムは眉をしかめた。
そして余裕は怒りへと変わった。
フィム「私をコケにしているのか?力の差を見せてやるよ。」
フィムは間合いを取って戦闘態勢に入った。
それを見たシャドウ達も戦闘態勢に入った。
怒りを感じているフィムのせいか、
場には緊迫した空気とは違う戦闘の空気が流れている。
そして構えてから最初の攻撃に移るのも早かった。
先に攻撃を仕掛けたのはフィムだ。
フィムは銃のように液体金属をシャドウに向かって飛ばしてきた。
だがシャドウの反射神経とスピードはそんなものの比ではなかった。
フィムが液体金属を飛ばす瞬間を見たシャドウは、
液体金属を避けてもう既にフィムの目の前にいた。
フィム「はっ!?」
シャドウ「カオスレイ!」
驚いたフィムは、
カオスレイを避けるどころか全く動けず直撃を食らった。
フィムは沢山の雫となって飛び散った。
フィム「チッ、予想外の能力だ・・・・・!」
だがやはり液体金属のフィムにそれほどダメージはなく、
今度はその飛び散った雫のまま反撃をした。
飛び散った雫全てが銃弾のようにナイツに向かって飛んでいく。
だがナイツも自分の周りに風を纏わせ、
飛んでくる液体金属(フィム)の勢いを止めた。
勢いを失ってバシャンと音を立てて床に飛び散ったフィムはまた水溜りへとなった。
エイリアとナイリアはそこを狙い、
火の魔法、火炎放射を放った。
するとフィムはうめき声をあげながら火炎放射から逃れた。
フィム「クソがっ!次こそは潰してやる!」
そういうとフィムは水溜りのまま正面の大きな階段を上って行った。
シャドウ「追うぞ!」
そしてシャドウ達もフィムを追い、
階段を駆け上っていった。
続く