第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 五十五話
~ヘルズ~
シャドウ達は先を急ぐべく、極力と寄り道は避け真っ直ぐと進んだ。
レイシアに言われた通り、海に突き当たったら南へ行く。
常に大きな霊の山がシャドウ達の右側にあり、
それ以外の方向は平地か海、ということは、
やはり国の真ん中にヘルズ城があり、それを包むようにして山があるということだろう。
途中、ヘルズの見張りの兵に見つかるものの難なく倒し、
シャドウ達のヘルズ城へと向かう勢いと気持ちは増していった。
このことから、シャドウ達の顔はやはりヘルズの兵には知れ渡っているようだ。
そして何日かかかり、前方向に山が見えるようになった頃、
もう右手側にはヘルズ城下町と思われる大きな町があった。
シャドウ達は迷うことなく、その町へと足を踏み入れた。
~ヘルズ城下町~
ヘルズ城下町も他の町と同じく、
戦争中にも関わらず沢山のチャオで賑わっている。
だが、何故か大きな城は見つからない。
周りには霊の山。
大きな規模の町。
どう考えても此処が目的地のはずだ。
シャドウ「町を大きくまわってみようか。」
ラルド「うーん、それしかないね。」
すると突然、町に大きなサイレンと共にアナウンスが響き渡った。
「皆さん、家に避難してください。
繰り返します。皆さん、家に避難してください。」
そのアナウンスを聞いた町の住人達は、
慌てて近くの家へと入っていった。
オリ「これは・・・・・。」
シャドウ「・・・・・そうだろう。相手をしよう。」
武器を持っている仲間達は、武器を手にした。
すると何処からやってきたのか、
沢山のヘルズ兵がシャドウ達を包囲していた。
そして、その沢山のヘルズ兵をまとめているのは、あのフィムだった。
フィム「お久しぶりですね。お待ちしておりましたよ。」
シャドウ「やはり僕達が来る事は分かっていたか。」
フィム「えぇ、勿論です。ヘルズをナメてはいけませんよ。」
そして、フィムが手で兵士達に合図をすると、兵士達は銃をシャドウ達に向けた。
シャドウ「来るぞ。みんな。」
シャドウの言葉と共に、さらに仲間達の集中力は高まる。
フィム「撃てぇ!!」
そして、パァンという淡白な音が幾つも響いた。
続く