第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 四十七話
~レイシアの家 外~
前日の夜、暗さと黒い霧に覆われていたレイシアの家も、朝になれば普通の少しボロボロの家。
人魂も見当たらず、ナイツとエイリアは楽になった。
ラルド「こんな暇な時間なんて珍しいんだから何かしようよ!」
ラルドがやたらハイテンションで仲間達に話し掛ける。
エイリアはそんなラルドを見て思っていた。
ラルドっていつから変わったんだっけ・・・・・?
今のラルドは、普通・・・・・じゃないかもしれないけど、明るい女の子。
でも、よくよく考えてみれば昔はクールな男の子だったんだっけ。
いつから?
うーん、確か自分をルゥって明かしてからだよね。
いや、女の子ってことが分かった頃からだね。
これが本当の性格・・・・・。
男のフリをしていた頃は、もっとかっこよくてクールなイメージだったんだけど。
こういうギャップが寧ろ可愛いのかなぁ?
ラルド「エイリア!」
エイリア「えっ?」
エイリアはラルドの大きな声で、現実に帰ってきた。
ラルド「何か考えてそうだねぇ。何考えてたの?言ってみなよ。面白い案が出てきそうだねぇ。」
案が出ず、大分時間が経過していたようだ。
そんな中、真剣な顔で考えていたエイリアを見て、ラルドは声をかけたのだった。
エイリア「いや、別のこと考えてたんだけど・・・・・。」
ラルド「ん~?言ってみなって。」
ラルドがくりくりと目を輝かせて、顔を傾けながら近づけてくる。
他の仲間達もエイリアの方を見ている。
エイリア「え、ラルドっていつ頃から変わったのかなぁって。」
ラルドは意外そうな顔をして「あ~。」と言った。
ナイリア「そういえば、凄い変わったよね。」
この話についていけないライン、バウス、オリは戸惑った。
だが、其処をナイツがフォローした。
ナイツ「ラルドってマール星に来る前は男のフリしてたんだよ。」
バウス「ほぉー、ラルドにもギャップを作って周りの目を意識する可愛い一面もあったんじゃな。」
ラルド「さっさとくたばれジジイ。」
ライン「でも、一度見たことあるよな。確かみんな懐かしいって言ってたからアレのことだと思うけど。スーマと初めて会った時のアレ。」
ラルド「そ、それだー!」
すると、今度はオリだけが話についていけなくなり、困った顔をしている。
オリ「想像しにくいな・・・・・。どんなのだったのだ?」
ラルド「見たい人ー?」
すると、オリ以外は元気良く「はーい!」と手をあげた。
オリは性格上、そのようなことが苦手のようだ。
ラルド「あーあ、オリが見たくないみたいだからなぁ。」
ナイリア「うわ、最悪。」
ナイツ「マジKY。」
ライン「・・・・・。」
バウス「ワシより先に死ぬかもな・・・・・。」
エイリア「お大事に。」
仲間達に散々言われ、とても苦々しい顔をしているオリは仕方なく「は、はい。」と小さく手をあげた。
ラルド「じゃあやるよ!3、2、1・・・・・。」
続く