第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 四十六話
~レイシアの家 朝~
シャドウ「ん・・・・・。此処は・・・・・?」
シャドウは寝起きの重い体を起こし、周りを見渡した。
見知らぬ家の中、見知らぬチャオが一人。
状況が読み込めないシャドウを見ていたレイシアは、近づいて話し掛けた。
レイシア「お目覚めはいかが?」
このチャオが良い者だろうと、悪い者だろうと有り得る発言。
だが、シャドウは目を見て判断した。
シャドウ「悪くない。」
それにレイシアは微笑んで返した。
レイシア「そっか。」
すると、ゆっくりと仲間達が起き始めた。
他の仲間達もシャドウと同じく、状況が読めずに戸惑っている。
其処でナイツとエイリアが目を覚まし、仲間達に状況を説明した。
危険な山の手前で色々と教えてくれたこと、家にいれてくれたこと、霊能力のこと。
ナイツ「っていう訳で、この人は悪い人じゃないよ。」
それを聞いてシャドウ達も納得したようだ。
レイシア「昨日散々怖がらせたから、悪い人って言われないか心配だったよ。良かった良かった。」
ナイツとエイリアは「ガキか。」と言いたそうな顔をして、苦笑した。
シャドウ「それにしても、何か此処では否定的な波動みたいなものを感じるな。それも霊のせいなのか?」
シャドウは先程から周りを気にしていたようだが、何かを感じているようだ。
マッスル「だよな。何か変な威圧感っていうか。」
マッスルも同じく何かを感じるようで、シャドウと同じような顔をしている。
レイシア「あれあれー?二人とも霊能力に目覚めちゃったんじゃないの?」
レイシアは不気味にクスクス笑った。
それに対しマッスルは硬直し、シャドウは無表情で答える。
シャドウ「霊能力とはそういうものなのか?」
レイシア「まぁ、気配を感じれば霊感が強い方だと思うよ。僕なんかは普通に見えたりしてるけど。」
シャドウは霊に興味を持ち、他にも色々と尋ねていた。
その間に他の仲間は外に出て、気晴らしをしに行こうとした。
するとレイシアがシャドウとの話をやめ、マッスルを呼び止めた。
レイシア「オレンジの君もコッチにオイデ?外はモットキケンだよ?」
マッスル「はい。すみませんでした。」
マッスルは白目を向いてレイシアの方へと戻ってきた。
他の仲間はあまり気にせず、外へと行ってしまった。
ラルド「マッスルってアレだね。チキン。バカみたい。消えちまえ。」
エイリア「・・・・・結構言うね。」
続く