第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 四十二話
~ビーチタウン東 草原~
シャドウ達はビーチタウンを抜け、また広い草原へと出ていた。
ビーチタウンで時間を使ったので、辺りは次第に暗くなり始める。
オリはコンパスを手にして言う。
オリ「このまま東に真っ直ぐ行くと、また海に突き当たるぞ。南へ行けば内陸に進める。右に曲がろう。」
シャドウ「それは・・・・・?」
シャドウはコンパスを不思議がって見た。
オリ「ん、コンパスを知らないのか・・・・・?」
シャドウは頷いた。
オリ「これは方角を示すもの。広い場所では大事なものだ。」
オリはシャドウにコンパスを渡した。
シャドウはコンパスを暫しばらく見ると、オリにコンパスを返した。
マッスル「何でそんなの持ってるんだ?俺達と行動するなんて思ってなかったんだろ?」
と、マッスルが首を突っ込む。
オリ「これは隊長が俺のために用意してくれたものだ。」
オリはコンパスを見ながら少し笑う。
マッスル「やっぱあの人って良い人だな。」
オリ「あぁ、ゼアスの中でもアレほど頼れる人はいないだろう。」
シャドウ「その隊長が道を作ってくれたのだ。期待に答えるためにも、早く進もう。」
そして、シャドウ達は南へと進み始めた。
しばらく歩けば、もう辺りは真っ暗。
すっかり夜になってしまった。
そして、シャドウ達は山が目の前というところまで歩くと、足を止めた。
シャドウ「今日は此処までにしよう。この山、夜は危険だろう。」
山には木々が生い茂り、先が殆ど見えないくらい真っ暗だ。
オリは先を急ぐ気持ちが大きくなりつつあったが、焦りで無駄な危険にさらされることがどれほどのことか分かっていたので、気持ちを抑えた。
シャドウ「すまないが、誰か見張りをしていてくれないか?何か良くない雰囲気が漂っている。」
シャドウは、体で何かを感じ取ったようだ。
そして、その言葉にナイツとエイリアが名乗り出る。
ナイツ「二人で見張りなら安全だね。」
シャドウ「あぁ、任せたぞ。」
そして、見張りの二人を残し、仲間達は眠り始めた。
間も無く、一人のチャオがナイツとエイリアに近づいてきた。
???「こんなところで・・・・・。何してるの?」
♂チャオのようだが、少し声のトーンが高い。
ナイツ「え、明日この山を登るために、此処で野宿をしようと・・・・・。」
???「やめときなよ。」
♂チャオの早い返事にナイツとエイリアは驚いた。
エイリア「な、何でですか?」
???「知らない?あぁ、確かによそ者っぽいね。」
そして、この♂チャオの話にナイツとエイリアは驚く事になる。
続く