第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 四十一話
~ビーチタウン『町長の家 畳の間』~
おそらくは複雑な心境のオリを目の前にし、シャドウ達は言葉を探していた。
メロン「・・・・・あ、アレだよ。なんか理由があるんだよ!」
メロンも重苦しい空気に絶えられず言葉を発したが、ありきたりで、とてもオリの耳に届く言葉ではなかった。
町長はメロンに「余計なことはするな」と手でサインをした。
この空気を打ち破ったのは、やはりマッスルだった。
だが、今回は気楽さで空気を破ったものではなかった。
マッスル「生きてるんだからいいじゃねぇか。話せるんだから、聞きゃあいいんだ。俺らはヘルズ城目指してんだから機会はあるだろ?」
理由は単純。
だが、その言葉はオリを純粋に元気付けた。
オリ「ポジティヴなヤツだ。」
マッスル「だろ?」
そして、町長は思い切ってシャドウ達に一つの疑問をぶつけた。
町長「・・・・・それで、何故ヘルズ城を目指しているのですか?」
シャドウ「戦争を終わらすためです。」
町長は、早く、夢のような返答に驚いた。
町長「本当にこの支配も、終わらせられるというのですか?」
シャドウ「終わらせます。」
その自信のこもった声と、やっと行動に出た者が現れたという事に安心感を持った町長は、一言シャドウ達に声をかけた。
町長「・・・・・お願いします。」
シャドウ達は返事をすると、家を出て行った。
メロン「こんな凄い人達だったんだ・・・・・!」
町長「私達も、何か行動すべきなんだろうな・・・・・。コレは、大きなチャンスなんだ。」
メロン「じゃあ・・・・・・。」
~ビーチタウン出口~
オリ「何故、あんなに自信を持てる?」
オリは、シャドウの「終わらせる」という言葉に反応したようだ。
シャドウ「・・・・・本当のところは、出来るかは分からない。」
シャドウは珍しい言葉を口にするものの、仲間達はそれを分かっているかのように黙りこくった。
シャドウ「リバルというヤツは相当の力を持っている。ソニックやフェトム達の実力がそれを物語っている。戦争の被害を大きくし、『あの』ゼアス兵隊長やゼアス兵をも留めている三人衆や王の力。おそらくはソニックやフェトム達と同等のレベルは持っているだろう。」
オリ(知っていたのか・・・・・。ゼアス兵が攻撃に移らないもう一つの理由。迂闊に手を出せないほどのヘルズの力・・・・・。)
シャドウ「だが、そんな事を言ってるだけでは勝てない。そして、こうして僕達が他の者に自信を持たせることで、何か変わるかも知れない。口ではなく、行動で結果を出すくらいの気持ちがなければ、この戦争は止まらない。」
オリ「そうか・・・・・。」
普段、強い気を持っているオリも、この時はシャドウに飲まれた。
こうして、仲間達、そして自分の気持ちを強くしていく。
続く