第二章 ~ヘルゼアス戦争~ 三十七話
~ビーチタウン~
シャドウ「さて、情報は得たことだ。他の皆を探すか。」
ミインから充分な情報を得たシャドウは、まずラルドを探そうと町を歩き出した。
ラルドのことだから買い物でもしているだろう、とシャドウは近くにあったスーパーに入った。
シャドウは早速、お菓子売り場にいるラルドを見つけた。
シャドウ「金は持っていないのだろう。買えないのなら店などに入るな。」
ラルド「あ、シャドウ。このチョコおいしそうだよね~。」
と、ラルドはシャドウの言葉を無視し、お菓子売り場にあるチョコを指して言った。
シャドウ「・・・・・情報は?」
ラルド「えっとね。わぉ、半額だって。しかも低カロリー!」
ラルドはそのチョコの袋を持って言った。
シャドウ「誰もチョコの情報など聞いていない。」
ラルド「・・・・・情報なし。えへ。」
シャドウ「えへ、じゃない。もう情報は充分手に入れた。行くぞ。」
シャドウはラルドのフードをつまんで店から引っ張り出した。
ラルド「あーあ、食べたかったなぁ。あのチョコ。」
ラルドは不満そうにシャドウの顔を見て言った。
シャドウ「金がないのだから何を言っても無駄だ。」
ラルド「そないなこと分かっとる!けどな、ウチもな・・・・・。」
シャドウ「ラルドは何故フードとマントをいつまでもしているのだ?」
ラルド(あれ、無視?)
ラルド「これはね、ファッションだよ。」
ラルドは自慢気に言ったが、シャドウのリアクションは予想外のものだった。
シャドウ「ファッション・・・・・か。」
するとシャドウはラルドのフードを外した。
ラルドは驚いたが、シャドウの言葉にさらに驚いた。
シャドウ「ラルドにはこっちの方が・・・・・。」
ラルド「え・・・・・。」
ラルドはドキッとした。
シャドウ「いや、大差はないか。」
ラルド「まさかの裏切りが来るとは。」
ラルドはフードを被り直した。
シャドウ「兎に角、他の皆も探そう。」
ラルド「はーい。あ、エイリアご夫婦は海だから最後でOKね。」
シャドウ「あぁ、分かった。となると、次はラインを探すか。」
ラルド「はーい。」
そして、ラインを探しに町を歩き始めた。
探し始めてから間も無く、町をうろついていたラインと合流できた。
しかも、ラインはオリとバウスと共に行動していたらしく、一気に五人となった。
シャドウ「何か情報は手に入れたか?」
ライン「町の人が言うには、少し前にヘルズの兵士の人が来たとか言っていたな。」
シャドウ「そうか・・・・・。こちらも同じだ。ただ、ヘルズの兵士らしくなく、話せる相手だそうだ。」
オリ「それならば、まだ希望はある。話せる相手がいるのならば、無駄な争いは避けられるだろう。」
シャドウ「・・・・・だと良いが。それ程甘いとも言えないからな。」
オリ「あぁ、分かっている。」
シャドウ「・・・・・そうだな。では、次はマッスルを探しに行こうか。」
そして、シャドウ達は砂浜の方へ歩き出した。
続く